種別 | 論文 |
主題 | 軽量コンクリート1種の性能に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 高羽登(日本セメント) |
連名者1 | 山下時夫(日本メサライト工業) |
連名者2 | 清水泰(東京工業大学附属工業高校) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 14 |
号 | 1 |
先頭ページ | 591 |
末尾ページ | 596 |
年度 | 1992 |
要旨 | まえがき 都市の土地高騰に伴う建築構造物の高層化や、建物に対する要求の多様化によるスパンの長大化等が増大するに従って、鉄筋コンクリート構造物の高強度化や軽量化の必要性が高まっている。近年、これらの要求に適合すべく高強度軽量コンクリートの性能に関する技術的な改良が各研究機関で精力的に行われている。これらの研究は、小さな水セメント比で圧縮強度が400kgf/cm2を超える範囲のものが多く見られる。また、現在、日本建築学会の鉄筋コンクリート構造計算規準やJASS5などでは、軽量コンクリートは1種および2種のみ使用可能となっており、その設計基準強度は150kgf/cm2から270kgf/cm2の範囲で使用が認められている。これは普通コンクリートの使用が360kgf/cm2まで認められていることに対して多少厳しい制限となっている。本研究は、上記の現状を考慮して、軽量コンクリートの利用に関する基礎的な資料を得る事を主な目的として行った試験の結果をまとめたものである。特に、実用的な範囲で既往の研究例が少ない範囲を考え、水セメント比が比較的大きく、圧縮強度が300kgf/cm2を多少超える所の実験を行った。使用したコンクリートは、普通コンクリートと軽量コンクリート1種で、材令4週での封かん養生の調合強度が240kgf/cm2と360kgf/cm2となるように調合設計した。測定項目は、フレッシュコンクリートの品質、材令約200日迄の圧縮強度、引張強度、静弾性係数および圧縮強度時のひずみとして両コンクリートの比較を行った。 結論 調合強度240kgf/cm2と360kgf/cm2の普通コンクリートと軽量コンクリートについて比較検討実験を行った結果以下の事項が認められた。a)材令による圧縮強度の発現は、本実験に用いたコンクリートでは軽量コンクリート、普通コンクリートとも一定の伸びを示したが、引張強度に関しては材令4週以降殆ど上昇しなかった。圧縮強度に対する引張強度の比は、普通コンクリートに比べて軽量コンクリートの方が多少小さ目な値となった。また、圧縮強度から引張強度を推定する算定式としては、多少の安全を見込んでCσT=1.2√CσT程度とすることが望ましいように思われる。b)圧縮強度のばらつきに関しては、普通コンクリートと軽量コンクリートとでは大きな差は見られず、両者とも変動係数3%以下の小さな値であった。c)軽量コンクリートの静弾性係数は建築学会RC規準の算定式による計算値より多少低い値となった。計算値と実験値の比の値を見ても、普通コンクリートと比較して低い値が得られた。d)圧縮強度時のひずみに関しては、普通コンクリートに比べて軽量コンクリートの方が大きな値が得られた。推定式による計算値と比較しても軽量コンクリートは大きな値となっている。 |
PDFファイル名 | 014-01-1099.pdf |