種別 | 論文 |
主題 | 細孔構造モデルによるコンクリート中の水分移動解析 |
副題 | |
筆頭著者 | 下村匠(東京大学) |
連名者1 | 小沢一雅(東京大学) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 14 |
号 | 1 |
先頭ページ | 631 |
末尾ページ | 636 |
年度 | 1992 |
要旨 | はじめに コンクリート構造物の品質制御の上で、内部の含水状態を予測することはきわめて重要な課題である。構造物にしばしばひびわれを生じさせる乾燥収縮は、内部の含水状態の変化による体積変化が直接の原因であり、また中性化、凍結融解、塩分浸透など構造物の耐久性能を劣化させる種々の現象の進行には含水状態が関与している。したがって、構造物の耐久性能を評価し、制御するためには、供用環境下における内部の含水状態の経時変化を予測することが必要となる。コンクリート中の水分移動現象を特徴づけ、その取り扱いを複雑にしているのは、コンクリートの細孔や空隙などの組織構造である。そこで本研究では、コンクリートの細孔構造をモデル化し、そこでの水分の存在形態と移動を表現することにより、湿度環境下におけるコンクリート中の水分移動を解析的に予測するモデルを構築した。本モデルは、水分を液状水と水蒸気の2相に分けて扱ったこと、コンクリートの組織構造を数理的に表現したこと、水分移動現象を水分の平衡と移動とに分けてメカニズムを考察し定式化したことが特徴である。 本研究のまとめと今後の課題 本研究ではコンクリートの細孔構造をモデル化し、そこでの水分の存在形態と移動を表現することにより、湿度環境下におけるコンクリート中の水分移動を解析するモデルを定式化した。また、解析を行なうことにより、提案したモデルが合理的な解析結果を与え得ることを示した。今後は、用いた個々の仮定の妥当性を検討すること、および今回モデル化に至らなかったコンクリート中の細孔以外の空隙組織とそこでの水分挙動をモデルに取り入れ、対象とするコンクリート中の水分移動現象の範囲を拡張することが課題であると考えている。 |
PDFファイル名 | 014-01-1107.pdf |