種別 論文
主題 硬化モルタルの細孔径分布と水の浸透特性の関係
副題
筆頭著者 沼尾達弥(茨城大学)
連名者1 福沢公夫(茨城大学)
連名者2 Tsung-Yu Chen(城大学大学院)
連名者3 堀辺忍(日立セメント)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 637
末尾ページ 642
年度 1992
要旨 はじめに
コンクリートの硬化体中には、成因の異なる多くの細孔が存在している。その細孔を通り道として、水その他の物質が移動して、コンクリート構造物の耐久性に影響を与える。また、耐久性改善材料の一つである含浸塗料などの浸透が、コンクリートの状態の変化に影響されるのも、細孔分布の影響と考えられる。圧力勾配のない場合のコンクリートヘの液体の浸透は、キャピラリーポアを通り道とした毛細管張力により浸透するものとして考えるのが一般的である。しかし、毛細管浸透においては毛細管の径、毛細管体積などの細孔構造により、浸透特性が影響を受けるのは明らかであるが、コンクリートの細孔構造と浸透特性とを関連させた研究は見あたらない。本研究は、上記のことを考慮して、水セメント比を変化させることによりモルタルの細孔構造を変化させ、水の浸透特性と細孔構造との関係について調べることを目的としている。
結論
水セメント比を30〜70%まで変化させたモルタルに、水圧が生じない状態で浸透係数を測定し、モルタルの細孔構造との関係を求めた本研究の結果から次のことがいえよう。1)水平より、上方よりおよび下方よりの3方向から浸透させたときの時間と浸透深さの関係には差が認められなかった。また、浸透深さは、時間の平方根に比例した。このことから、水圧のない状態でのモルタルヘの水の浸透は、主として毛管張力による毛細管浸透によるものと考えられる。2)浸透深さを時間の平方根で除した値を浸透係数とするとき、浸透係数は、水セメント比が大きいほど大きい。また、全細孔体積も、水セメント比の大きいほど大きい。単回帰分析の結果、浸透係数と全細孔体積との間には、直線関係があることが確認され、(3)式の回帰式が得られた。3)細孔径を、102〜104Å細孔体積VSと104〜106Åの細孔体積VLにわけて、それらを説明変数として重回帰分析を行った結果、(5)式のようにVLのみを説明変数とする(5)式が得られた。細孔径のうち、大きめの細孔が水の浸透特性により大きな影響を与えるものと考えられる。4)毛細管浸透に関するWashburnの式に、浸透深さのデータを代入して求めた見かけの径は、5.0x104〜6.0x105Åであり、3)で述べた径の範囲にある。
PDFファイル名 014-01-1108.pdf


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