種別 論文
主題 PC橋の鋼材腐食評価法について
副題
筆頭著者 大城武(琉球大学)
連名者1 野里耕正(沖縄総合事務局)
連名者2 風間洋(沖縄建設弘済会)
連名者3 後藤信弘(新日本製鐵)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 655
末尾ページ 661
年度 1992
要旨 はじめに
近年、塩害による鉄筋コンクリート構造物の早期劣化が顕在化し、社会問題となっている。特に、沖縄県は海に囲まれ台風の常襲地であるため、多くのコンクリート構造物が海水滴および飛塩粒子などの影響を受けている。また、コンクリートの細骨材として海砂を使用しているが、過去には十分な除塩なしで使用したため、海砂に付着した塩分の影響が大きく現れている。さらに、鋼材の腐食を促進させている要因には高温多湿の環境条件も挙げられる。この様な塩害環境により著しい損傷を受けた構造物は補修・補強が必要となるが、損傷が外観的に認められず、かつ供用中である構造物の場合は、精度の高い非破壊検査手法を用いて現在および将来の劣化状況を把握し、補修時期およびその方法を予測する必要がある。本研究は、塩害による構造物の劣化過程を解明し、外観的把損傷が現時点で認められないPC橋の塩害を予測するための評価基準を明確にすること、また、補修時期および補修工法等を設定する際の基礎資料を得ることを目的としている。ここでは、電気化学的調査(鋼材の自然電位測定、分極抵抗測定およびコンクリート抵抗測定)と含有塩分量測定を、促進試験供試体および実橋梁に対して行い、鋼材の発錆状況の評価を行っている。
まとめ
本研究では、塩害によるPC橋の劣化過程を解明するため、電気化学的試験と含有塩分量分析試験を行った。その結果、以下の点が明かになった。1)塩害による劣化過程は、促進試験における分極抵抗の測定結果から大きく「健全域」「遷移域」「活性域」の3領域に区分できる。この領域はA供試体(Cl-量0.6kg/m3)およびB供試体(Cl-量1.5kg/m3)のいずれに対してもほぼ同じサイクルで分類できる。2)塩分量分析試験結果において、鉄筋周辺部の含有塩分量が発錆限界量に達するサイクル数は、電気化学的特性値の劣化過程の「遷移域」と一致する。このことは、電気化学的特性値が塩害による劣化過程を定量的に把握していることを示している。3)塩害環境の異なる実橋梁の電気化学的特性値の測定結果から、劣化状況の評価が可能となっている。測定結果の劣化評価は、目視による鉄筋腐食観察結果と対応している。更に、促進試験の発錆面積率と分極抵抗の相関性から、電気化学的特性値による劣化状況の定量的評価の可能性が示唆されている。
PDFファイル名 014-01-1111.pdf


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