種別 論文
主題 コンクリート中のエポキシ塗装鉄筋の効果
副題
筆頭著者 等俊一(新日本製鐵)
連名者1 吉田耕太郎(新日本製鐵)
連名者2 鳥居和之(金択大学)
連名者3 川村満紀(金沢大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 769
末尾ページ 774
年度 1992
要旨 まえがき
海岸付近などの塩分の影響をうけるコンクリート構造物では、塩害による鉄筋の腐食の事例がしばしば見られる。塩害による鉄筋腐食の防止対策としては、日本コンクリート工学協会「海洋コンクリート構造物の防食指針(案)」(JCI-R1)にまとめられているが、鉄筋に樹脂塗装を施す方法(以下エポキシ樹脂塗装鉄筋と称する)が実用的なものとして推奨されている。エポキシ樹脂塗装鉄筋の耐防食性は、鉄筋の素地処理、塗料品質、塗膜の厚さおよびピンホールの有無などによって相違するので、実際の環境下での長期にわたるエポキシ樹脂塗装鉄筋の耐防食性の確認が必要であるが、この方面でのデータの蓄積は比較的少ないように思われる。本研究では、エポキシ塗装樹脂鉄筋を用いたコンクリートブロックを北海道、沖縄、および神奈川の3地域に暴露し、1年、3年および5年の材令にてコンクリートのひびわれおよび鉄筋の腐食状況を観察している。ここでは、暴露5年におけるコンクリートのひびわれ調査、塩分含有量の結果について報告する。
結論
エポキシ塗装鉄筋はその防食性が評価されながらも長期信頼性やコストの面で実用化がおくれている。筆者らは長期暴露試験によってこれらの課題を解決すべく5年間の暴露試験を計画し、ここでその評価をするに至った。今回の報告ではコンクリートの表面からの評価に留まるが、以下に述べる点からその効果は充分に有ると言える。1)エポキシ塗装鉄筋を用いると鉄筋の腐食によって生じるような鉄筋表面に達するコンクリートのひび割れは生じない。コンクリート中に食塩を添加するなど始めから鉄筋の腐食環境をつくったことで、暴露場所の環境の影響が小さくなったが、いずれの暴露場所でもエポキシ塗装鉄筋の試験体ではコンクリートのひび割れ性状で鉄筋との明確な関連は見られ無かった。2)エポキシ塗膜に小さな傷を生じても、それが原因となるコンクリートのひび割れは生じない。傷面積の評価が充分ではないとしても傷部からの選択的な鉄筋の腐食は見られず、傷部はエポキシ塗装鉄筋の弱点とはならなかった。3)コンクリート表面のひび割れが内部に進展しても、エポキシ塗装鉄筋の防食は有効である。コンクリートのひび割れは暴露環境に因るものと鉄筋の腐食に因るものとが考えられ、いずれも鉄筋の腐食に影響し、腐食を加速すると考えられるが、エポキシ塗装鉄筋ではコンクリートからのひび割れに対しても防食効果を有していた。
PDFファイル名 014-01-1131.pdf


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