種別 論文
主題 ポリマーエマルジョンと亜硝酸リチウムによる鉄筋の防錆効果
副題
筆頭著者 小泉徹(石川工業高等専門学校)
連名者1 高桑信一(石川工業高等専門学校)
連名者2 枷場重正(北陸建設技術研究所)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 777
末尾ページ 780
年度 1992
要旨 はじめに
塩害によるコンクリート構造物の耐久性の低下は大きな問題となっている。石川県下の北陸自動車道は海岸線に接近して走行する区間が長く、冬期の気象条件の激しさなどから完成後10年程度のコンクリート構造物のいくつかに内部鉄筋の腐食による塩害損傷が見られた。このような構造物の劣化に対し、社会資本としての価値を保つために維持・補修対策の確立が重要になっている。塩害を受けたコンクリートの補修対策は、一般に劣化・損傷部分の断面修復と表面被覆の組合せで行われているが、塗膜などの被覆により外部から侵入する塩分の遮断が確認されている補修済み箇所でも、補修後数年を経て再補修の必要が生じたものもあり、コンクリート内部に残存している塩分の影響が大きいことがうかがえる。内部塩分への対策のひとつとして防錆剤の使用が考えられる。亜硝酸塩をコンクリート表面に塗布したり、あらかじめフレッシュコンクリートに大量に添加することで塩化物による鉄筋腐食を抑制する試みがなされている。しかし、鉄筋の発錆を防ぐに必要とされる量をコンクリート表面に塗布するには多くの時間を要し、またいずれの場合も鉄筋周辺に必要量が浸透により確保されているかが懸念される。本研究は、鉄筋の発錆を防ぐに必要とされる量の亜硝酸塩(亜硝酸リチウム)を含むポリマーモルタルを鉄筋の周囲にまき付けることで、より高い防錆効果を発揮する補修方法の確立を目的として行った実験について述べるものである。
まとめ
本研究は塩害を受けた構造物の補修工法の開発を目的として行ったものである。行った実験の条件下において、NO2-を含むポリマーモルタルを鉄筋にまき付けると高い防錆効果が示された。外部からの塩分が遮断されても内部塩分による鉄筋の腐食が考えられる構造物には本手法は有効と考えられる。しかし、一部の供試体にはマクロセルによると考えられる腐食が発生したことより、これらへの対策が重要な課題といえる。また、鉄筋周辺のNO2-濃度のばらつきにより防錆効果の違いも見られたが、友沢らの結果において示された塩分が0.3%以下であればNO2-/Cl-が0.6、それ以上では1.0という値で十分な防錆効果があった。友沢らの結果はコンクリート全体に対してのNO2-量であり、本研究は鉄筋の周囲部に全NO2-をもつことより、防錆効果の限界NO2-量はもう少し低い値と考えられる。これらに対して今後の検討が必要である。
PDFファイル名 014-01-1133.pdf


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