種別 論文
主題 防錆剤の低圧注入による鉄筋防食工法の開発
副題
筆頭著者 友澤史紀(東京大学)
連名者1 野口貴文(東京大学)
連名者2 廖年祈(東京大学大学院)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
14
1
先頭ページ 793
末尾ページ 796
年度 1992
要旨 はじめに
海砂はコンクリート材料として昭和37年頃より使用され、当初は無規制に近い状態であったため、昭和55年頃から海砂の塩分による鉄筋腐食が多数のコンクリート構造物に生じ、社会問題となった。その対策として塩分総量規制が実施されたため、今後建造されるコンクリート構造物に関しては、海砂による塩害問題は航静化していくと考えられる。しかしながら、過去20年以上にわたって海砂を用いて建設された構造物が近畿以西には多数存在しており、それらに関しては、今後、鉄筋腐食による劣化が顕在化してくることが予想される。このような海砂による鉄筋腐食の進行した構造物に対して、現在一般的に行われている補修は、鉄筋露出部分・ひびわれの大きな部分は鉄筋をはつり出し防錆処理を施すといった大規模な補修作業を必要とする反面、その他の部分は単に表面塗膜処理を行うだけの局部的ともいえる補修方法であり、根本的な腐食抑制方法とはなり得ず不安を残している。筆者らは、鉄筋腐食の進行初期状態にある鉄筋コンクリート構造物に対し、亜硝酸塩系防錆剤を使用することにより、大規模なはつり・断面修復作業を必要とすることなく、非破壊的にコンクリート内部に腐食抑制環境を作り出す、鉄筋防食手法を開発することを目的として、一連の研究を行っている。本研究では、鉄筋の腐食膨張によってひびわれの生じ始めたコンクリートに対し、ひびわれを通して亜硝酸塩系防錆剤を低圧注入し、鉄筋近くに高濃度に防錆剤を存在させることにより、腐食の進行を停止させる鉄筋防食手法の有効性について検討した。
まとめ
本実験で得られた知見を以下に示す。1)低圧注入工法は、塗布工法と比較して、亜硝酸塩系防錆剤を速く高濃度で広範囲に浸透させることが可能である。2)亜硝酸塩系防錆剤の低圧注入工法は、表面に微細ひびわれが生じた程度の腐食進行状態の鉄筋に対して、非常に有効な防食手法となる。
PDFファイル名 014-01-1136.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る