種別 論文
主題 電着工法による港湾コンクリート構造物の補修と防食について
副題
筆頭著者 横田優(四国総合研究所)
連名者1 佐々木晴敏(三井造船)
連名者2 福手勤(運輸省)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 849
末尾ページ 854
年度 1992
要旨 まえがき
一般に、海水中にて直流電流を流した場合、海水の電解により、そこに溶存しているCaイオンやMgイオンが陰極面にCaCO3やMg(OH)2を主成分とする無機物(電着物)として析出することが知られており、この電着物は腐食性物質の拡散障壁として作用することが期待できる。一方、近年においてはウォーターフロント開発等が盛んに行われ海洋環壊下へのRC構造物の進出が著しく、水密性やひびわれなどが機能上および防食上重要な問題となっている。そこで、「コンクリートも電解質だからコンクリート中の内部鉄筋等を陰極とし、海水中に対向設置した陽極との間に直流の微弱電流を通じることにより、コンクリート側のひびわれ部や表層部に固くて緻密な電着物を形成できるはずである」との発想から、数年前から港湾コンクリート構造物の劣化に対する電着工法の適用性について検討してきた(図一1)。室内試験から得られた基本的特性については一部報告したが、本論文では、実構造物試験結果を中心に本電着工法による補修効果について示すとともに、通電が鉄筋とコンクリートとの付着強度に及ぼす影響についても検討を加えた。
まとめ
室内試験や実構造物試験により、港湾コンクリート構造物の維持補修技術としての電着工法の有用性について検討した結果、以下のことが明らかになった。1)電着物はひびわれ部などの通電性の高い箇所から選択的に充填・析出する。2)内部鉄筋を陰極として通電することにより、鉄筋周辺を中心にマイナス帯電イオンであるコンクリート中のCl-量が減少する。3)細孔径分布より、コンクリートよりも電着物の方が非常に級密であることがわかった。4)コンクリート表面に析出した電着物により水密性が向上するとともに、通電停止後も外部からのCl-の浸透が抑制される。5)電着物とコンクリートとの接着力はコンクリート表層部の引張強度とほぼ同じである。6)電着通電によって鉄筋とコンクリートとの付着強度に問題となるような低下は認められなかった。
PDFファイル名 014-01-1146.pdf


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