種別 | 論文 |
主題 | 直達日射を受けるタイル張り壁面の挙動に関する基礎的研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 松藤泰典(九州大学) |
連名者1 | 大久保孝昭(九州大学) |
連名者2 | 小山智幸(九州大学) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 14 |
号 | 1 |
先頭ページ | 861 |
末尾ページ | 866 |
年度 | 1992 |
要旨 | 序 近年、建築構造物の外壁タイルや仕上げモルタル等、外装仕上げ材の剥落事故が多く報告され、重大な社会問題となっている。外装仕上げ材の剥離、剥落の原因としては、張り付け工法の選択ミス、下地不良及び地震・不同沈下等の外的要因並びに熱、乾湿による膨張・収縮及び水分凍結等の内的要因など、種々の要因が考えられる。外装仕上げ材の剥離、剥落の調査事例によると、欠陥発生箇所は建物南面が最も多く、次いで、西面、東面の順となっており、建物北面ではほとんど発生していないことが報告されている。これは、直達日射が外装仕上げ材の劣化に大きく影響を与えていることを示している。本研究は、直達日射が外壁面に及ぼす影響を、壁体内部の温度性状、温度ひずみの観点から、定量的に評価することを目的として行ったものである。本論文では先ず、タイル、張り付けモルタル、下地モルタル及び躯体コンクリートなど、タイル張り壁面を構成する各素材の温度変化に伴う変形性状を明かにし、更にこれらの各素材が壁面全体の挙動に及ぼす影響を把握することを目的として実験検討を行った。 まとめ 本研究は、直達日射を受けるタイル張り壁面の挙動を定量的に把握することを目的として行ったものである。本論文では、タイル張り壁面を構成する各材料がタイルのひずみ性状に及ぼす影響について検討を行い、以下のような知見を得た。1)張り付けモルタルはタイルに比べて線膨張係数が大きく、直達日射によりタイルよりも大きな伸びが生じるため、タイル裏面に過度のひずみを生じさせ、タイルの残留ひずみを増大させる。2)下地モルタルは張り付けモルタル同様、タイルに生じる実ひずみ及び残留ひずみを増加させる。3)躯体コンクリートは試験体が直達日射を受ける時間が短いときにはタイルの実ひずみを低下させ、照射時間が長くなるとひずみを増加させる。4)タイルの裏足形状は、張り付けモルタルとの機械的付着力に影響し、特に短辺方向の裏足を有するタイルの残留ひずみは大きくなる。今後大型の試験体により、目地種類、型枠材料の影響等についても検討を行う予定である。 |
PDFファイル名 | 014-01-1148.pdf |