種別 論文
主題 表面補修によるアルカリ・シリカ反応の抑制効果に関する研究
副題
筆頭著者 阿部道彦(建設省)
連名者1 若杉三紀夫(大阪セメント)
連名者2 田中政史(大阪セメント)
連名者3 神本英喜(大阪セメント)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 927
末尾ページ 932
年度 1992
要旨 はじめに
近年、アルカリ・シリカ反応(ASR)によるコンクリート構造物の早期劣化が問題となり、これに対する補修技術が種々開発されているが、実構造物の補修については、まだ施工実績も少なく、補修材料および工法が確立されているとはいい難い。また、現在ASRの補修には通気型および遮水型の被覆材が、防水を主目的として暫定的に用いられているが、遮水型では無処理よりも劣化を促進させるとの報告もあり、被覆材のASR抑制効果について、自然暴露と整合性のある促進試験条件も明確にされていないのが現状である。本研究は、コンクリート構造物の補修工法・劣化抑制工法の開発および評価方法の確立を目的として実施した実験であり、ASRにより劣化させたコンクリート供試体に通気型および遮水型の被覆材を塗布し、自然暴露条件下での膨張挙動を把握するとともに、種々の促進養生条件下で膨張挙動を測定し、自然暴露との整合性を検討したものである。
まとめ
ASRによる膨張を起こしたコンクリート供試体に通気型および遮水型の被覆材を塗布し、自然暴露および種々の促進養生条件下で長さ変化および重量変化を測定し、ASR抑制効果を比較検討した。自然暴露試験から、通気型の被覆材はASR膨張を抑制し、逆に遮水型の被覆材では長期的に無処理よりも膨張率が大きくなるので、ASR抑制には遮水型よりも通気型の被覆材の方が有効であるとの結果が得られた。また、促進養生試験では以下のような知見が得られた。常温乾燥と高温湿潤の繰り返し養生の場合、乾燥と湿潤期間の比率がASRによる膨張に及ぼす影響は、被覆材を塗布したものでは認められなかったが、無処理のものでは湿潤期間が長くなるのに伴って膨張も大きくなる傾向がみられた。一方、高温乾燥と常温湿潤の繰り返し養生の場合、通気型被覆材を塗布した供試体の膨張挙動は、乾燥と湿潤期間の比率に影響された。今回検討した促進養生条件の中では、高温乾燥(40℃・R.H.60%)6日と常温水中(20℃)1日間を1サイクルとした乾湿繰り返し養生が、被覆材のASRの抑制効果について、自然暴露と最も整合性のある促進試験条件であった。自然暴露試験の測定は今後も継続して行い、データを蓄積し、促進養生条件にフィードバックして検討を加え、より適切な試験方法を確立していく予定である。
PDFファイル名 014-01-1160.pdf


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