種別 | 論文 |
主題 | 転用施工した透水性型枠によるコンクリートの性状 |
副題 | |
筆頭著者 | 立松和彦(淺沼組) |
連名者1 | 石原誠一郎(淺沼組) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 14 |
号 | 1 |
先頭ページ | 965 |
末尾ページ | 970 |
年度 | 1992 |
要旨 | はじめに 近年、コンクリートの耐久性向上がさまざまな角度から論議・検討され、材料、設計、施工それぞれの分野で着実に前進してきている。その一つの方策として、透水性型枠を使用してコンクリートの耐久性を向上させる手法は、土木構造物を中心に、わずかずつではあるが採用され始めている。また、現在までに何種類もの透水性マット(あるいは透水性シート)が提案されているが、素材やその組み合わせには若干の違いはあるものの、コンクリート中の余剰水および表面の気泡をコンクリート打設時に透水性マットから排出させ、表層部(表面から数cm)のコンクリートを緻密にし、コンクリート全体の耐久性を向上させるという原理においては同じものといえる。透水性型枠の使用による耐久性の向上については、既に数多くの発表がなされている。しかし、積極的にこの工法を活用していくためには、施工面、特に転用性に関するデータを蓄積することが重要な課題の一つである。使用する透水性マットの種類にもよるが、数回転用した場合、耐久性の改善効果はどうなるのか、また、透水性マット自体は何回の転用に耐えるのかという点に関する研究発表は非常に少ない。そこで本研究では、透水性型枠を4回転用(即ち5回使用)してコンクリート擁壁の試験体を作り、転用施工した透水性型枠によるコンクリートの性状、特に耐久性改善効果の推移に関して検討した結果について述べる。 まとめ 今回の実験結果から以下の事が確認された。(1)側圧の小さな部分からの脱水量は、透水性型枠の転用によりかなり小さくなる。(2)アバタ率、表面強度は転用の影響をほとんど受けない。(3)中性化深さ、塩分浸透深さ、凍結融解等の耐久性に関しても、4回の転用では透水性型枠による改善効果はほとんど低下しない。(4)細孔半径1850〜75000(Å)程度の空隙の減少については、50〜100mmの深さまで透水性型枠の効果があるものの、転用によりその程度は若干低下する。(5)セメントペーストの移動する範囲は、透水性型枠表面から30mm程度の深さまでであり、それより深い部分ではあまり移動していないようである。(6)総合的に判断すると、「透水性型枠」を4回転用してもその性能は大きく低下しない。以上のような事が推察できるが、使用する透水性マットの種類により結果が異なってくることは十分考えられることである。また、実施工に「透水性型枠」を積極的に取り入れていくには、例えば、耐久性の改善効果と脱水量との関係を定量化することなどが必要なのではないかと考えている。 |
PDFファイル名 | 014-01-1167.pdf |