種別 | 論文 |
主題 | 増粘剤を添加した高流動コンクリートの耐凍害性に関する基礎的研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 須藤裕司(北見工業大学大学院) |
連名者1 | 鮎田耕一(北見工業大学) |
連名者2 | 佐原晴也(日本国土開発) |
連名者3 | 竹下治之(日本国土関発) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 14 |
号 | 1 |
先頭ページ | 1003 |
末尾ページ | 1008 |
年度 | 1992 |
要旨 | はじめに 通常のコンクリート材料に増粘剤と高性能減水剤を添加して、締固めが不要な程度まで高流動化したコンクリート(以下、SFコンクリートと称す)は、高い流動性と充填性、および材料分離抵抗性を有している。SFコンクリートは、結合材、単位水量などの微妙な変動にあまり影響されず性状が安定しており、しかも生コンプラントあるいは現場においても製造可能であるという利点がある。しかし、耐凍害性が劣るとされており、SFコンクリートの実用化にあたってはこの点を明らかにする必要がある。増粘剤を添加したコンクリートの耐凍害性に関する研究としては、水中不分離性コンクリートでは長合ら、大和ら、福留らによって、気中コンクリートでは大野ら、著者らによって検討されている。これらの研究の結果、増粘剤を添加したコンクリートの耐凍害性の低い原因として、気泡組織の粗大化、半径数百Åの細孔の増加、毛細管空隙中の水の粘性の増大などが挙げられている。また、同時に気泡間隔係数が200μm以下だと耐凍害性が良好なこと、高炉スラグ微粉末の混合、アルミニウム粉末の添加が耐凍害性の向上に効果的であることなども述べられている。本研究では、SFコンクリートの耐凍害性に関する基礎的な資料を得ることを目的に、消泡剤が混入されているメチルセルロース系増粘剤と、消泡剤が無混入のメチルセルロース系増粘剤を使用し、その添加量や空気量、その他混和剤との相性などについて検討した。 まとめ 今回の実験の範囲で、次のことが明らかになった。(1)消泡剤が混入されているメチルセルロ一ス系増粘剤を添加したSFコンクリートの気泡組織は、若干粗大化する傾向にある。また、SFコンクリート製造後30〜60分程度経過しないと硬化コンクリートの空気量は判断できない。これらの原因は、消泡剤の作用が微細な気泡にまで及び、しかも長時間持続するためと考えられる。(2)増粘剤(消泡剤混入)を添加したSFコンクリートでは、硬化コンクリートの空気量を5.5%程度にすると耐凍害性を確保できる。さらに、耐凍害性が確保されたコンクリートの気泡間隔係数を調べた結果200〜220μm程度であった。ただし、このためにはフレッシュコンクリート製造直後の空気量を8〜11%にする必要がある。(3)消泡剤無混入の増粘剤を、コンクリートにW×0.3%以下の範囲で添加すると、空気量の増加とほぼ同じ割合で微細な気泡も増加する。また、「減水剤+AE剤」の組み合せの方が「AE減水剤+補助AE剤」の組み合せよりも、微細な気泡を数多く導入する。 |
PDFファイル名 | 014-01-1174.pdf |