種別 論文
主題 高炉スラグの置換率がコンクリートの諸物性に与える影響
副題
筆頭著者 中島規道(三井建設)
連名者1 矢沢修一(東京理科大学)
連名者2 竹田満(三井建設)
連名者3 竹内光(三井建設)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 1075
末尾ページ 1080
年度 1992
要旨 はじめに
高炉スラグ微粉末(以下、高炉スラグと略称する)は、高炉セメントとして幅広い用途に用いられているが、その発熱量が比較的小さい特性を生かし低発熱型セメントの構成材料としても用いられている。現在は、多成分型セメントとしてフライアッシュなどの混和材と共に用いられているが、高炉スラグをさらに積極的に利用し高置換率で用いれば、高炉スラグのみを混和材として使用する事も十分可能だと思われる。しかしながら、有効な発熱量の低減効果を得るためには特に大きな置換率で使用する必要があり、初期強度が低下し施工の能率が低下するなどの欠点もまだ顕著になってくる。そのため、高炉スラグを混入したコンクリート(以下、高炉スラグコンクリートと略称する)における相反する効果の相互関係を明確に把握する必要があると考えられる。本研究では、凝結硬化性状、発熱性状、および強度発現性状に与える高炉スラグの置換率および打設温度の影響を実験的に比較検討し、高炉スラグコンクリートの有効性の評価を試みたものである。
おわりに
本試験は、高炉スラグを混入したコンクリートの発熱量の低減効果を凝結硬化性状および強度発現特性との相互関係をふまえて評価しようと試みたものであり、本研究で得られた結果をまとめると以下の通りとなる。1)高炉スラグの置換率が大きくなるにつれて凝結終結時間は増加し、その増加率は置換率が大きくなるほど大きい。また、その程度は打設温度が低い程顕著となる。この結果、置換率80%、打設温度10℃の水準の凝結終結時間は36時間と極めて大きくなり、置換率0%・打設温度20℃の約3倍となった。2)。高炉スラグを置換率60%以上で用いると温度上昇量を低減させる事が出来る。また、置換率80%においては、普通セメントの約50%の温度上昇量となった。3)高炉スラグコンクリートの材令3日における初期強度は置換率の増加によりほぼ直線的に低下する。また、打設温度10℃および打設温度20℃における置換率0%水準に対する置換率80%の水準の圧縮強度は約50%となる。4)置換率80%・打設温度10℃および20℃の水準、また、置換率0%・打設温度10℃の水準を除き材令91日までに置換率0%・打設温度10℃の水準とほぼ同等な強度となる。5)温度上昇量の低減効果と凝結終結時間の間には直線的な関係が認められる。6)温度上昇量の低減効果と初期強度低下の間の関係は比較的小さく、この点から高炉スラグを高置換率で用いる事は有効である。これらにより高炉スラグ微粉末を高置換率で用いる事が、発熱量低減に有効である事が確認できた。しかしながら、本研究においては粉末度、化学成分等の高炉スラグの品質の影響、および単位結合材量、水−結合材比等の配合の影響にたいする検討を行っていないため不十分な部分も数多く残されている。この点に関しては今後の課題として実験を進めていく予定である。
PDFファイル名 014-01-1186.pdf


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