種別 論文
主題 温度ひびわれを有するRC部材の鉄筋応力度とひびわれの挙動
副題
筆頭著者 佐藤良一(宇都宮大学)
連名者1 氏家勲(宇都宮大学)
連名者2 木村方哉(宇都宮大学)
連名者3 伊藤尚(宇都宮大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 1137
末尾ページ 1142
年度 1992
要旨 まえがき
層状に打設される大断面の鉄筋コンクリート構造物や内巻きをして仮設構造物を本体の構造物として利用するような大断面の構造物では、水和熱による温度応力を受けた後に外荷重を受けることになるが、この温度応力あるいは温度ひびわれの影響が設計上取り扱われることはほとんどないように思われる。これは、温度ひびわれの影響度が不明確であること、温度応力は自己制限的な応力でひびわれの分散と共に減少すると考えられていること、終局曲げ破壊時の変形に比べ温度による変形が小さくその影響は無視し得ると考えられていることなどによると思われる。このようなことから、著者らは温度ひびわれを有するRC部材の力学性状を実験的に検討した。その結果、ひびわれ幅は、土木学会による式による値と比べて最大でおよそ40%大きく、温度応力の影響が無視し得ない可能性のあることを示したが、拘束体のひびわれ発生後の鉄筋応力度などについては必ずしも明確な影響を把握するには至らなかった。そこで、本研究は、鉄筋応力度とひびわれ幅の把握に特に力点をおき、また温度応力を受けない同一条件を有する部材の載荷実験も行って、RC部材の力学性状に及ぼす温度ひびわれの影響を検討したものである。
まとめ
2層に打設されるRCはりモデルを用い、2層目に実構造物に即した温度履歴を与えて温度ひびわれを発生させ、その温度ひびわれとそれを有するRC部材の諸性質について、温度履歴を受けない部材のそれと比較して、実験的に検討した結果、本研究の範囲内で得られた主な結論は以下のとおりである。1)温度応力を受けた部材のひびわれ発生荷重は、中央断面を除けば、常温部材のおよそ50%と極めて小さく、またひびわれ間隔も10%小さかった。2)温度応力が鉄筋応力度におよぼす影響は拘束体にひびわれが発生するまでは明かに認められた。しかし、拘束体にひびわれが発生した後においては認められなかった。3)温度応力を受けた部材が降伏時の荷重およびたわみにおよぼす影響は常温部材のそれと比較すると認められたが極めて小さかった。これは鉄筋比が本研究の0.96%と比較的大きい場合においては、2)と同様にひびわれの分散による温度応力の開放があるためと考えられる。4)温度応力を受けた部材のひびわれ幅は、ひびわれ間隔が小さいにも拘らず、常温部材のそれよりも最大で27%大きく、明らかに温度応力の影響が認められた。同一鉄筋応力度の場合であっても温度部材のひびわれ幅は最大30%大きく、ひびわれ幅の予測に際してコンクリートの温度変形を考慮する必要のあることも明かとなった。
PDFファイル名 014-01-1197.pdf


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