種別 論文
主題 あと施工アンカーの引抜き耐力推定式に関する研究
副題
筆頭著者 片桐太一(日本ドライブイット)
連名者1 清水泰(東京工業大学附属工業高校)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
14
2
先頭ページ 125
末尾ページ 130
年度 1992
要旨 はじめに
あと施工アンカーの引抜き耐力推定式に関しては、現在種々のものが各研究機関等から提案されている。しかしながら、あと施工アンカーの種類は多種多様であり、また、その定着方法は比較的簡単な構造となってはいるものの、コンクリート内部に定着されるため、あと施工アンカーが引抜き力を受ける際の抵抗機構は極めて複雑なものとなっており、しかも、対象とする耐力にも色々なものが考えられている。このために、現在迄に多数の研究が行われているにもかかわらず、各種の状況をふまえた適切な耐力算定式が整備されているとは言い難いのが現状である。ここでは上記の様な状況を考慮して、耐震補強工事や改築・増築工事等で多用されている金属拡張系本体打込み式改良型あと施工アンカーの引抜き最大耐力に着目し、既往の耐力算定式を中心に種々の検討を行い、その上で、あと施工アンカーの引抜き最大耐力の算定式の提案を行った。検討の方針としては、まず、あと施工アンカーが引抜き力を受ける際に生じる破壊モードをコンクリート破壊と鋼材降伏に大別して考え、両者の内対象を前者のコンクリート破壊のみに限定する。次いで、その時の抵抗機構をコンクリートがコーン状に引張破壊する事を仮定して求めた引抜き耐力算定方法に着目し、これに対して多数の実験資料を基に統計的な手法で検討を加える。最終的には、最も影響の大きな要因を数種類抽出し、これらを組合せて引抜き最大耐力の推定を行ない、さらに、確率論を応用して安全係数を求め、これにより対象とするあと施工アンカーの引抜き耐力に対する設計式を導いた。
まとめ
あと施工アンカーの破壊をコンクリート破壊に限定し、多数の実験資料を基に統計的手法で最も影響の大きな要因を抽出し、これらを組合せて最大耐力の推定を行い、さらに、実験値のばらつきが大きい事から実験値と計算値の比の値の分布型を正規分布に仮定して確率論を応用し、計算値に対する安全係数を求め、これにより対象とする金属拡張系本体打込み式改良型あと施工アンカーの引抜き最大耐力に関する設計式を導いた。本論文で提案した設計式による引抜き最大耐力計算値は、多数の実験値との比較検討を行なった結果、大きな相関係数が得られた。また、実験値と計算値との比の値は平均値が1.03であり、変動係数も比較的小さな値でおさまっている。したがって、本設計式によりあと施工アンカーの引抜き最大耐力の設計を行えば、既往の算定式に比較して経済的で、しかも信頼性の高い引抜き最大耐力を確保する事が可能と思われる。なお、本提案式はへりあきと群の効果を考慮していないが、これらに付いては文献5)等で検討を行っているが、さらに検討を加える必要があると思われる。
PDFファイル名 014-01-2021.pdf


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