種別 論文
主題 長期荷重を受けたアンカーボルトの引抜き耐力
副題
筆頭著者 橘高義典(宇都宮大学)
連名者1 上村克郎(宇都宮大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
14
2
先頭ページ 143
末尾ページ 148
年度 1992
要旨 はじめに
近年、コンクリート躯体への設備機器、天井材、仕上用石材等の接合には、あと施工アンカーを用いるケースが増加している。従来のあと施工アンカーの研究では、埋込み直後の強度性状を把握している場合が多く、長期間の荷重作用を受けた後のアンカーボルトの性状に関する研究はほとんど見られない。特に、天井材等のファスニングで鉛直方向に荷重を受けるアンカーボルトに関しては、長期的な荷重作用を受けた後での安全性を検討する必要がある。本研究は、各種あと施工アンカーについて、静的荷重を5年間作用させた後の引抜き性状を把握するとともに、アンカーの種類による差異を考察したものである。
まとめ
各種あと施工アンカーについて、静的荷重を5ヶ年間作用させた後引抜き試験を実施した結果、今回の荷重条件およびコンクリート母材の条件の範囲で、以下のことが考察された。1)各アンカーとも今回の負荷条件では、引抜き耐力の大幅な低下はおこらず、安定した定着性能を示した。ケミカルアンカーは設置後3ヶ月で若干引抜き耐力が低下するが、その後は上昇し安定した耐力を示した。2)全体的に経過年が増すことで引抜き時の剛性がやや増加する傾向があった。ケミカルアンカーの場合は、コンクリート母材の強度増加に依存したと考えられるが、スリーブ拡張型メカニカルアンカーの場合では、それ以外にも、適度な荷重を作用させることで”定着効果”が生ずるものと考えられる。締付け型平行拡張アンカーは安定した剛性を示し、エポキシ接着剤を併用することにより、初期の剛性はさらに向上した。3)メカニカルアンカーの引抜き時の剛性は、コンクリート孔内面へのスリーブの定着面積の影響を受け、それが大きい場合には剛性が上がる。ただし、一様の拡張力を持たない場合には逆に、定着部が減少し剛性が低下する場合もある。今回は、比較的小さな荷重条件で得られた結果である。今後は、より最大耐力に近い荷重での長期変化を検討する必要がある。
PDFファイル名 014-01-2024.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る