種別 論文
主題 RCアーチ橋基部の耐荷力および破壊性状に関する実験的評価
副題
筆頭著者 宮本文穂(神戸大学)
連名者1 森川英典(神戸大学)
連名者2 金子正之(パシフィックコンサルタンツ)
連名者3 幸佐賢二(阪神高速道路公団)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 167
末尾ページ 172
年度 1992
要旨 はじめに
大スパンのRC固定アーチ橋のアーチ基部においては、細長比、作用軸力、せん断スパン比等が橋脚や建築構造物の柱等と異なり、アーチ基部の破壊性状はこれらの諸量によりかなり影響されると考えられる。例えば、本研究で対象とする阪神高速道路北神戸線「水晶山橋梁」の場合、せん断スパン比が5以上で、橋脚の2〜5や建築構造物の1〜3より大きく、また、作用軸力は40kg/cm2(死荷重作用時)で、橋脚の5〜20kg/cm2よりもかなり大きくなっている。また、RC固定アーチ橋は不静定構造であり、アーチ基部の塑性ヒンジの生成時期、範囲および回転能等の要因による曲げモーメント再配分の特性が全体系の耐荷力および破壊性状に大きく影響することを考慮すると、本橋の耐荷力を評価するためには、アーチ基部の耐荷力および破壊性状を実験的に確認するとともに、破壊領域、破壊部近傍の曲率分布及び変形性状をモデル化し、非線形解析にこれらの特性を導入することが必要であるといえる。そこで、本研究では、実橋基部の部分模型供試体を作成して耐荷力試験を行い、アーチ基部に関する耐荷力、破壊性状の評価を行った。また、曲げモーメント−曲率(以下、M−φ)関係によって基部の特性をモデル化し、非線形解析に適用した場合の妥当性を検討して全体系の解析のための基礎資料とした。
まとめ
以上、RCアーチ橋基部の模型供試体を用いて、耐荷力および破壊性状の検討を行った結果を以下にまとめる。(1)本アーチ橋基部の場合、せん断スパン比が通常の橋脚に比べて大きく、基部の破壊時には曲げひびわれの発達による塑性ヒンジが生成する。塑性ヒンジ長は供試体の有効高さdよりもやや小さくなる。(2)アーチ基部のM−φ曲線には、基部コンクリートからの拘束による硬化と主鉄筋の抜け出しによるアーチ部材の回転変形の影響が含まれ、これらを考慮したM−φ曲線の評価を検討した。また、本M−φ曲線を非線形解析に適用することにより、その妥当性を確認した。不静定構造としてのアーチ橋全体系の解析には、これらを考慮する必要がある。(3)実橋で予想される軸力変動による影響を調べた結果、基部の特性に及ぼす影響はアーチ部材一般断面における理論解析で評価される影響とほぼ同等であることを確認した。
PDFファイル名 014-01-2028.pdf


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