種別 | 論文 |
主題 | 打継ぎ用材料の塗布厚さが異なる鉛直・水平打継目をもつRCはりの力学的性状 |
副題 | |
筆頭著者 | 辻幸和(群馬大学) |
連名者1 | 森脇貴志(日本化成) |
連名者2 | 木暮健(群馬大学大学院) |
連名者3 | チュウ ユン ファ(ホリー) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 14 |
号 | 2 |
先頭ページ | 179 |
末尾ページ | 184 |
年度 | 1992 |
要旨 | まえがき 打継ぎ用材料としては、モルタル、セメントペーストあるいは湿潤用エポキシ樹脂などが従来から用いられてきた。特に鉛直打継目においては、これらのいずれかを用いて施工することが、土木学会コンクリート標準示方書に規定されている。しかしながら、旧コンクリートの打継面にこれらいずれかを塗布した後は、直ちに新コンクリートを打継ぐ必要があり、鉄筋工や型枠工と競合し、施工の隘路となっている。この施工上の制約を解消するために、打継面に塗布してから新コンクリートを打継ぐまでの時間(以下、オープンタイムと称する)を充分長くとることができる打継ぎ用材料として、ポリマーセメントモルタルの研究を行なってきた。これまでに、打継ぎ用材料として用いるポリマーセメントモルタルの施工に誤差が生じた場合を想定して、ポリマーセメントモルタルの塗布厚さを要因にとり、鉛直打継目および水平打継目を有する角柱供試体を作製し、塗布厚さと打継ぎ強度との関係について検討し、塗布厚さの及ぼす影響はほとんど認められないことが、報告されている。そこで、本研究では、一般構造物への適用を考慮して、ポリマーセメントモルタルの塗布厚さおよび配合を変化させた鉛直打継目あるいは水平打継目を有するRCはりの曲げ性状およびせん断性状について、実験的に検討した結果を報告する。 結論 打継ぎ用材料として用いたポリマーセメントモルタルの塗布厚さおよび配合を変化させた鉛直打継目あるいは水平打継目を有するRCはりを作製し、これらの載荷試験を行った。本実験より得られた結果から以下のことがいえる。(1)鉛直打継目を有するRCはりの曲げひびわれ発生モーメントは、ポリマーセメントモルタルの塗布厚さが増すにしたがって大きくなった。(2)打継目部分の引張鉄筋のひずみおよびクリアランス量は、打継目を有しないはりよりも大きくなり、また塗布厚さが薄くなるにしたがい応力集中が著しくなるために、大きくなった。(3)曲げ引張破壊荷重は、鉛直打継目の有無、およびポリマーセメントモルタルの塗布厚さの影響を受けずほぼ等しい値を示した。(4)水平打継目を有するほとんどのRCはりでは、新旧コンクリートが一体となって挙動し、斜めひびわれが発生し、水平打継目では破壊せずに、せん断圧縮破壊を生じた。(5)ポリマーセメントモルタルの水平塗布厚さが5mmのRCはりでは、せん断破壊モーメントの低下が認められた。この原因は不明であるが、塗布厚さが斜めひびわれの進展になんらかの影響を与えるためであろうと推測される。 |
PDFファイル名 | 014-01-2030.pdf |