種別 | 論文 |
主題 | ひびわれ面で軸変形とズレ変形を同時に受ける軸方向鉄筋の非弾性挙動に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 三島徹也(前田建設工業) |
連名者1 | 鈴木顕彰(前田建設工業) |
連名者2 | 篠田佳男(前田建設工業) |
連名者3 | 前川宏一(東京大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 14 |
号 | 2 |
先頭ページ | 191 |
末尾ページ | 196 |
年度 | 1992 |
要旨 | はじめに ひびわれ面に埋設された鉄筋の力学的特性は、従来、ひびわれ直交方向(抜け出し作用)と平行方向(ダボ作用)にそれぞれ個別に検討されてきた。ところが、鉄筋に軸力が存在するとダボ耐力が低下することが鈴木らによって指摘されている。この事実は、鉄筋にダボ応力が発生すると鉄筋の軸方向耐力が低下することをも示唆している。鉄筋の拘束効果が低減すると、ひびわれ面のせん断耐力は低下する。したがって、鉄筋のダボ効果は、ひびわれ面のせん断耐力を高める効果と低減させる効果の2面性を持つこととなる。ダボ効果がこのような2面性を持つことから、ダボ変形と軸変形の連成作用を無視したモデル化は危険側になる可能性もあり、より一般化された変形経路(軸変位とズレ変位)下での鉄筋の軸方向抜け出しモデルの構築が望まれる。本研究の目的は、著者らが実施した一面せん断試験結果に基づき、軸変位とズレ変位を同時に受ける埋設鉄筋の力学的性状を検討し、鉄筋モデルの一般化に必要な実験データを収集することにある。特に、本研究では、ズレ変位が鉄筋の抜け出し性状に与える影響について検討する。 結論 RC打継ぎ面の一面せん断試験結果から、埋設鉄筋の挙動を抽出し、ズレ変位と軸変位を同時に受ける鉄筋の非弾性挙動を実験的に求めた。その結果、以下の結論を得た。1)ズレ変位と軸変位を同時に受ける接合面に埋設された鉄筋の軸ひずみは、接合面で最大とならず、接合面から1D近傍で最大となり、内部で塑性が進行していることを明らかにした。2)ズレ変位にともなう鉄筋の局所曲げに着目し、鉄筋を弾塑性体とし、鉄筋軸ひずみと曲率を連成させることによって、上記現象が説明できることを明らかにした。特に、曲率の存在が鉄筋軸剛性を低減させ、さらには、鉄筋軸応力の限界値をも低減させることを明らかにし、曲率を考慮したモデル化が重要であることを示した。3)ズレ変位と軸変位を同時に受ける鉄筋の抜け出し挙動は、純引張状態のそれと大きくことなり、曲率の存在を無視した鉄筋モデルはひびわれ面のせん断伝達耐力を高めに見積もる可能性があることを示唆した。 |
PDFファイル名 | 014-01-2032.pdf |