種別 | 論文 |
主題 | RC造有孔梁の省力せん断補強方法に関する実験的研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 前口剛洋(西日本工業大学) |
連名者1 | 出光隆(九州工業大学) |
連名者2 | 山崎竹博(九州工業大学) |
連名者3 | 渡辺明(九州工業大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 14 |
号 | 2 |
先頭ページ | 239 |
末尾ページ | 244 |
年度 | 1992 |
要旨 | まえがき 鉄筋コンクリート構造物は、梁柱部材の鉄筋の加工や配筋の精度が構造物全体の耐力に大きく影響を及ぼす。特に、用途上やむを得ず部材に断面欠損が生じる梁や耐力壁等の主要構造部材の開口部周辺補強の配筋には、断面減少に伴うせん断耐力を確保するため、より高い施工精度が要求される。しかも、これら開口部分の配筋作業は、主筋や肋筋およびスラブ定着筋等が入り組んだ狭い箇所での作業となるため施工難度が高く、熟練工による手作業が必要となってくる。一方、近年の建設業界では建設現場の労働者不足も相まって、鉄筋加工業の部門でも熟練配筋工が不足し、現場作業の省力化や簡素化が求められている。さて、最近、施工技術の向上および高強度材料の出現等により、鉄筋コンクリート造の超高層化が可能になり、また、都市の高密度化、情報化時代の到来にともない、設備機能を充実した大規模なインテリジェントビル等が多く建てられるようになった。これらの建物は、設計上、経済性及び安全性を考慮して階高を低くするために、梁下端と天井との空きが少なく、設備関係の配管等に際しては、必然的に梁に貫通孔が設けられることになる。また、以前の建物に比べて、一つの建物における貫通孔の数の割合も多くなっており、配筋工事における有孔梁の補強作業が建物全体の工期に及ぼす影響が大きくなってきた。現場における梁部材の配筋作業工程は、一般に鉄筋工による配筋工事を行った後に、設備配管工による貫通孔の設置とその補強作業が実施されるため、既に組み立てられている鉄筋の結束を緩めて肋筋やスラブ定着筋を移動させ、補強用鉄筋を組み立てていくことになる。また、これらの補強作業は組み立てられた鉄筋のわずかなすき間に手を差し込んで行われるため、擦傷や切傷を伴う予想以上の重労働であり、配筋の施工精度の低下にもつながる恐れがある。 まとめ 本報告は、鉄筋コンクリート梁の貫通孔の補強方法に関して、施工性に重点をおいた実用的な簡易補強金物を考案し、それの現場における施工性と補強効果を実験的に検討したものの報告であった。その結果、施工性においては、補強作業の容易さ及び施工精度や作業時の安全性が確認された。また、強度性状においても、せん断耐力に対して補強効果が確かめられ、くの字型補強を用いた有孔梁の耐力の算定には広沢修正式が有効であることが明らかとなった。 |
PDFファイル名 | 014-01-2040.pdf |