種別 論文
主題 高強度マルチフープを用いた鉄筋コンクリート柱の曲げ変形性能
副題
筆頭著者 中澤淳(川鉄テクノワイヤ)
連名者1 三原重郎(川崎製鉄)
連名者2 益尾潔(日本建築総合試験所)
連名者3 南宏一(福山大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 301
末尾ページ 306
年度 1992
要旨 はじめに
既報において、現場施工の効率向上および省力化が期待できる高強度マルチフープ(外周筋と副帯筋を一体化し、一筆書きに曲げ加工した一枚の帯筋)を用いたせん断破壊先行型RC柱の曲げせん断実験を行い、マルチフープは標準フープと同等のせん断耐力を与えるとともに、同等以上の変形性能を確保し得ることが明らかになっている。一方、特に高層建築における下層階の柱では、高軸力を受ける曲げ降伏ヒンジ領域における変形性能を確保することが設計上重要な課題になっている。そこで、本研究では、曲げ降伏先行型のRC柱を対象にして、13000kgf/cm2級の高強度鉄筋を用いたマルチフープの曲げ靱性に及ぼす補強効果を把握するとともに、マルチフープ、マルチスパイラルおよび標準型のせん断補強筋による補強効果を比較検討することを主目的として、補強筋形状、せん断補強筋比、軸力比および主筋量の異なるRC柱14体の実験を行った。本論では、これらの実験結果により、高強度マルチフープを用いたRC柱の曲げ変形性能に及ぼす、各実験変数の影響について比較検討する。また、終局強度型耐震設計指針のA法(以後、指針式と呼ぶ)および益尾らが提案している提案式による限界部材角の実験値と計算値を比較し、それらの評価法の有効性についても併せて検討する。
結論
(1)軸力が大きい場合、囲の字形で標準フープ、マルチフープおよびマルチスパイラルの補強形状の順で変形性能が向上した。これは、補強筋を連続的に加工する程、高軸力時の靱性に及ぼす補強効果があると言える。(2)八角形マルチフープは囲の字形マルチフープに比べ、変形性能が向上した。これは、副帯筋が拘束しているコアコンクリートの範囲が大きいことによると考えられる。また、八角形は円形とほぼ同様な拘束効果があると推測される。(3)外周のみに密に配筋するよりも、副帯筋を使用したほうが、曲げ降伏後の付着割裂を抑制することができる。(4)指針式(A法)では、限界部材角に対して安全側になっているが、高主筋量である試験体については過小評価する傾向がある。また、提案式では比較的ばらつきが少なく限界部材角を評価している。
PDFファイル名 014-01-2051.pdf


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