種別 | 論文 |
主題 | RC柱・梁部材の圧縮筋の座屈開始時ひずみについて |
副題 | |
筆頭著者 | 吉田徳雄(三重大学大学院) |
連名者1 | 畑中重光(三重大学) |
連名者2 | 上田英明(三重大学大学院) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 14 |
号 | 2 |
先頭ページ | 331 |
末尾ページ | 336 |
年度 | 1992 |
要旨 | はじめに RC梁の曲げ終局域における変形能力の改善には、曲げ圧縮部の靱性を増大させることが特に有効であることが知られている。ところで通常RC梁は圧縮筋を有するため、曲げ圧縮部の靱性を論じるには、コンクリートの靱性とともに圧縮筋の座屈性状の影響をも把握しておく必要がある。筆者らは、既報においてRC梁の終局域の変形挙動に及ぼす圧縮筋の座屈挙動の影響を解析結果に基づいて検討した。また、圧縮筋の座屈挙動に及ぼす横補強筋並びにスラブの効果についても定量的に調べた。本報では、これまで多くの研究者によって行われてきた柱・梁部材の圧縮筋の座屈に関する研究を取り上げ、その成果と問題点をまとめる。また、圧縮筋を有するコンクリート角柱体の一軸圧縮実験を行い、他の研究者による既往の研究結果、既報および別報によるT形RC梁の曲げせん断実験結果との比較を行う。さらに、これらの検討結果に基づき、RC柱・梁部材の圧縮筋の座屈開始時ひずみの推定式を提案する。 まとめ 圧縮筋の座屈開始時ひずみについて以下の知見が得られた。(1)座屈開始時ひずみは、横補強筋間隔−供試体幅比(S/b)が小さいほど、また、横補強筋の単位拘束応力As・fs/Acが大きいほど増大する。(2)座屈開始時ひずみは、座屈開始点の判定方法によって大きく異なる。本研究では、他の研究者の実験データと本実験データとを比較し、判定方法による差異を定量的に示した。(3)RC部材の圧縮筋の座屈開始時ひずみは、部材のせん断スパン比(すなわち曲げモーメント勾配)および圧縮側スラブの存在によって大きく異なる。(4)限られた実験データではあるが、上記の知見を考慮し、座屈開始時ひずみ推定式として以下の式(3)が得られた。εb=(b/S+0.2)・α・β・γ[%]・・・(3):ここに、α:座屈判定係数、β:単位拘束力係数、γ:曲げモーメント勾配係数、b:供試体幅または梁幅、S:横補強筋間隔;RC部材内の圧縮筋の座屈挙動をより明確に捉えるには、ひずみ測定長に一定の基準を設けること(式(3)は、ひずみ測定長−供試体幅比(L/b)が1.8≦L/b≦2.7の範囲のデータに基づく)、および座屈判定方法を統一すること(式(3)中のαの値)についてさらに検討する必要があろう。 |
PDFファイル名 | 014-01-2056.pdf |