種別 | 論文 |
主題 | プレキャストRC造柱の埋込み接合部の挙動に関する実験的研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 小山内裕(オリエンタル建設) |
連名者1 | 今井昌文(オリエンタル建設) |
連名者2 | 加藤博人(建設省) |
連名者3 | 渡辺史夫(京都大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 14 |
号 | 2 |
先頭ページ | 447 |
末尾ページ | 452 |
年度 | 1992 |
要旨 | まえがき 建設ブームは峠を越えたと言われながらも、RC造建物の建設現場では労務事情の大幅な改善は望むべくもなく、省力化と効率化のためにプレキャスト(PCa)部材による組立工法の要求はますます高くなってきた。組立工法の生命は接合部であり、柱梁接合部の研究は数多くなされている。柱脚については鉄骨系の建物では研究も多く設計手法まで整備されているが、RC造建物では、特に埋込み柱の場合、設計指針もなく計算方法も定かでない。柱脚の種類には基礎地中梁施工後に柱をセットする上置き形式と基礎の中に柱脚を埋め込む埋込み形式とがある。上置き形式には露出型と根巻き型があり、埋込み形式には先置き型と後置き型(ソケット型)がある。PCa組立工法では露出型が多く使用される。ソケット型は施工時の柱の自立性など能率的でありながら設計法が確立されていないためかその使用例は少ない。また、安全側の設計を行うため基礎が大きくなりがちである。今後ますます増えるであろうPCa組立工法の適用に対し、早急な埋込み式柱の柱脚設計法の確立を期待する。プレキャストRC造埋込み柱脚部の経済的・合理的な設計法を確立する為には埋め込まれた柱の固定度の評価、変形性能の確保さらに破壊形式の把握が必要である。また実際の設計のためには埋め込まれた柱とソケット部の力の伝達、ソケット部に発生する応力およびそれに対する効果的な補強筋の配置方法を明確にしなければならない。本研究では、前述の内容のうち、基礎に埋め込まれたソケット型PCa柱の中柱および側柱について埋込み深さその他をパラメーターとした柱の固定度と変形性状を明確にすることを目的として実験を行い考察を加える。 結論 今回の実験で埋込み柱脚は一体式と同等の性能を有する構造として設計できることがわかった。各パラメーターの柱脚部の固定度に対する影響および変形能力については次の知見が得られた。(1)埋込み深さ:中柱はDe=1.0D〜1.5Dの範囲では柱の終局耐力には埋込み深さの影響はない。側柱はTYPE-17は終局荷重は計算値に達しなかったが他のTYPEは計算値に達した。(2)へりあき幅:へりあき幅は初期剛性に影響するがb=20〜30cmでは基礎の変形に対し差がない。(3)基礎補強筋:基礎のU字型補強筋は基礎コンクリートの受ける支圧力を伝達するのに有効で、柱脚の固定度への影響が大きい。また今回の実験では鉄筋に生じた応力は、鋼管構造指針により算定した応力より小さい。(4)柱軸力:軸力の小さいものは基礎部の変形が大きく、柱軸力は基礎部の変形に影響する。(5)変形能力:柱筋降伏時の柱頭変位量はδt=14〜25mm(R=1/150〜1/84rad)で、最終変形量であるδt=50mm(R=1/42rad)の塑性変形(塑性率μ=2.0〜3.6;柱主筋引張り降伏時μ=1)に至るまで水平力の低下はなかった。 |
PDFファイル名 | 014-01-2078.pdf |