種別 | 論文 |
主題 | 高強度コンクリートRCはりの最小曲げ引張鉄筋量について |
副題 | |
筆頭著者 | 滝本和志(清水建設) |
連名者1 | 塩屋俊幸(清水建設) |
連名者2 | 高橋行茂(東京ガス) |
連名者3 | 峯岸孝二(東京ガス) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 14 |
号 | 2 |
先頭ページ | 517 |
末尾ページ | 522 |
年度 | 1992 |
要旨 | はじめに 鉄筋コンクリートはりの最小曲げ引張鉄筋量に関して、土木学会コンクリート標準示方書「設計編」においては、曲げモーメントの影響が支配的な棒部材の引張鉄筋比は、0.2%以上を原則とすると規定されている。また、高強度の鉄筋を用いる場合や計算上必要な鉄筋量よりも著しく多量の鉄筋を用いる場合には、この規定を緩和して0.15%まで鉄筋比を小さくしても、ぜい性的な破壊は生じないとしている。既往の研究によると、低鉄筋比によるぜい性破壊を防止する設計方法として、曲げひびわれ発生荷重pcr、鉄筋降伏荷重py及び最大荷重puの大小関係がpu/pcr<1となってはならず、最も保守的な場合は、py/pcr>1であればよいとなっている。本研究は、コンクリートが高強度になった場合にも示方書の規定が適用できるのか、設計基準強度600kgf/cm2の高強度コンクリートを用いた鉄筋コンクリートはりの曲げ実験を行い、最小鉄筋量に関しての検討を行ったものである。 まとめ 実験結果及び計算結果から、以下の結論を得た。(1)示方書に従って0.2%以上の鉄筋量を確保していても、使用する材料の強度の組み合わせによってはぜい性破壊が起こる場合も考えられる。(2)低鉄筋比のために高強度コンクリートを使用していても変形は大きい。(3)低鉄筋比になるとひびわれ本数が少なく、ひびわれ部分に損傷が集中する。(4)鉄筋のひずみ硬化を考慮した場合としない場合での最大荷重の計算値は大きく違い、ひずみ硬化を考慮した場合の方が実験値に近い値となる。(5)鉄筋のひずみ硬化域における応力−ひずみ関係より、鉄筋の破断が推定できる。(6)高強度コンクリートを使用した場合においてもpu/pcr>1であればぜい性的な破壊は防止することができ、py/pcr>1であれば十分にRCとしての挙動が期待できる。以上のことより高強度コンクリートを使用する場合には、ぜい性破壊を防止するために必要な鉄筋比が0.2%を越えることも考えられる。そこで、ぜい性破壊を防止するためには、py/pcr、pu/pcrを評価する必要がある。また、鉄筋破断とコンクリート圧壊のどちらの破壊形式になるかを検討する方法も考えられる。いずれの場合にも鉄筋のひずみ硬化まで考慮した検討が必要になる。 |
PDFファイル名 | 014-01-2090.pdf |