種別 論文
主題 高温を受けた高強度コンクリート部材の力学的特性
副題
筆頭著者 熊谷仁志(清水建設)
連名者1 斎藤秀人(清水建設)
連名者2 森田武(清水建設)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 559
末尾ページ 564
年度 1992
要旨 はじめに
最近、鉄筋コンクリート造(RC)建物に高強度コンクリートを用いる機運が高まっており、設計基準強度600kgf/cm2のコンクリートを施工した例も報告されている。これまでRC造は多くの実験データから耐火構造として認められているが、構造物に高強度コンクリートを用いるのは、部材に従来よりも大きな応力が作用すると想定される場合であるため、火災を受けた構造物を再利用するには、強度・剛性の低下などについて十分な検討が必要である。しかしながら高温を受けた高強度コンクリート部材の力学的特性については、未だ不明な点が多い。そこで本研究では調合強度200〜750kgf/cm2のコンクリートを用いたRC部材に図1に示すような温度履歴を与え、加熱の有無による力学的特性の変化について検討した。図1の加熱曲線はJIS A1304の標準加熱曲線に比べて緩やかなものである。これは比較的軽微な火災を前提としていること、および温度の上昇勾配を急にすると爆裂が生じ加熱後の載荷実験が困難になることなどから、予備加熱を行って定めたものであり、検討の余地が残るところである。加熱後の載荷実験については、梁の曲げ実験を行い主筋周辺のコンクリートの引張特性の変化を見る実験(引張特性実験)と、柱の中心圧縮実験を行いコンクリートの圧縮特性の変化を見る実験(圧縮特性実験)の2シリーズを実施した。なお加熱時の試験体の外部からの拘束については今回考慮しない。
まとめ
炉内温度で550℃までの高温を与えた、調合強度200〜750kgf/cm2のコンクリートを用いたRC部材の力学的特性について実験を行い、以下のような知見が得られた。1)加熱後の力学的特性の傾向について、コンクリート強度による差異は認められない。2)加熱によるひびわれのため、引張側コンクリートはほとんど応力を負担しない。3)加熱を受けたコンクリートの圧縮特性については、強度の低下も見られるが、剛性の低下の方が顕著である。4)部材の外部拘束がそれほど無い場合に、熱伝達解析により部材内部の経験最大温度を求めることにより、部材の力学的特性を評価することができる見通しが得られた。
PDFファイル名 014-01-2097.pdf


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