種別 論文
主題 PC三径間連続ラーメン橋のクリープに関する一考察
副題
筆頭著者 森理太郎(三井建設)
連名者1 米倉宏行(三井建設)
連名者2 竹内光(三井建設)
連名者3 加島清一郎(三井建設)
連名者4  
連名者5  
キーワード
14
2
先頭ページ 601
末尾ページ 606
年度 1992
要旨 はじめに
本橋梁は橋長109.2m、中央支間長52.0mの3径間連続ラーメン橋であり、張り出し架設工法により施工されたものである。この種のPC多径間連続ラーメン橋等の不静定構造物は、施工中と完成後の構造系が異なる特徴を持ち、施工中は片持ち梁形式であり、完成後は連続梁形式となる。完成後クリープの進行や気温の変化によって不静定力が発生し、支承反力も同時に変化する。従来よりこのクリープの挙動については、桁内にひずみ計を埋設したり、桁のたわみ量の測定等により多くの測定・研究がなされてきたが、本研究は支承反力の増加に着目し、完成後約2年間にわたり随時支承反力を測定してきた。この測定データをもとにクリープの進行に対する考察を行い、今後の設計・施工管理に役立てることを目的としている。
まとめ
今回連続ラーメン橋の支承反力に着目して、その測定結果より温度差及び温度変化による支承反力の変動、またクリープ挙動の進行について考察をおこなってきたが、その結果をまとめると次のことがいえる。1)ラーメン橋などの不静定構造物の支承反力は温度の影響により大きく変動する。このような温度の影響を取り除き、真の支承反力すなわちクリープの進行による支承反力を求めるために前述の方法で補正を行った。その結果、変動係数がαで15%、βで27%となりほぼ満足できる補正方法であった。2)補正結果より、支承反力の変動は主桁全体の温度変化よりも主桁とウェブとの温度差の影響が大きく、その値はα=3.48(tf/℃)であり設計上の値(4.0tf/℃)とほぼ同じであった。3)支承反力は閉合時期によって大きく変動する。例えば閉合を夏季に行えば上床版とウェブの温度差が大きく、また主桁の温度も高いために冬季には支承反力は小さい値となる。反対に冬季に閉合を行えば支承反力は夏季に大きな値となる。このようなことから今後は閉合時期を考慮に入れて設計を行う必要があると考えられる。4)補正後の支承反力の測定結果より不静定力は時間の経過とともに増加しており、この不静定力よりクリープ係数を求めると設計値とほぼ同じ値を示し、完成後約2年でおよそφ=1.0であった。支承反力の測定によってクリープの進行度合を把握する方法は、従来の埋設ひずみ計等の方法と比較すると直接的な方法であるが、それでも温度などの環境の影響が大きい。今回述べた補正方法により温度の影響はかなり除かれ、精度よくクリープの進行を追うことができた。実橋でこのような長期間支承反力を測定できることは非常に希であり、よい精度でクリープの挙動に対するデータが収集できており、今後このようなPC橋梁の設計の貴重な資料となると思われる。さらに今後も定期的に測定を続けていく予定である。
PDFファイル名 014-01-2104.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る