種別 論文
主題 組紐状AFRPロッドで補強したRCスラブの耐衝撃性に関する実験的研究
副題
筆頭著者 三上浩(三井建設)
連名者1 加藤正利(三井建設)
連名者2 田村富雄(三井建設)
連名者3 岸徳光(室蘭工業大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 661
末尾ページ 666
年度 1992
要旨 はじめに
最近、コンクリートの補強材として新素材繊維材料(FRPロッド)を用いる研究が盛んに行われ、一部では実構造物にも適用されている。FRPロッドは軽量、高引張強度、耐蝕性、非帯磁性など在来の補強材にない優れた特質を有している。反面、弾性係数が鉄筋よりも低く、コンクリートとの付着特性が異形鉄筋やPC鋼線などと大きく異なることや複合材料であることなど、補強材として適用するにあたって留意すべき点をいくつか有している。従来の研究ではFRPロッドを梁の主筋やせん断補強筋あるいはPCやPRC梁の緊張材の代替に適用した例が多い。しかし、ロッドの低弾性係数を考慮すると荷重が分散する面部材への適用も合理的と考えられる。また、研究の対象とする荷重は静的荷重が多く、繰返し荷重下での検討例などは比較的少ないようである。一方、土木構造物では静的耐荷挙動や繰返し疲労荷重下での挙動のみならず、動的荷重下における挙動把握や終局耐力の把握も極めて重要である。このような背景から、著者らは衝撃荷重下におけるFRPロッドで補強したコンクリートスラブの衝撃特性を検討してきた。その結果、スラブの振動減衰性や下端筋のひずみ分布の経時変化は補強筋の付着特性に影響されることが考えられた。また、スラブ裏面のひびわれ性状は補強筋の付着特性の他に剛性にも影響されるが、最大衝撃力は補強筋の剛性や付着特性には顕著に影響されないことが判った。しかし、従来の研究はスラブに貫通や裏面剥離が生じない程度の弾性から塑性状態に着目しており、補強筋の剛性や付着特性がスラブの耐衝撃性に与える影響は検討されていなかった。そこで本研究では、従来の供試体よりもスラブ厚を薄くかつ補強筋を単筋配置とし、自由落下させる重錘の重量を増加させることでスラブが衝撃破壊するように計画し、補強筋の剛性や付着特性がスラブの耐衝撃性に与える影響を比較検討した。
まとめ
同一補強筋比で補強したスラブの耐衝撃性に与える補強筋の剛性および付着特性の影響を重錘を自由落下させる室内実験により比較検討した。本実験の範囲内で得られた結果を要約すると、(1)本実験でのスラブの破壊形式は重錘がスラブ表面に貫入するいわゆる貫入破壊であった。スラブ破壊時の重錘の載荷速度および載荷回数から見た耐衝撃性は、砂つきのAFRPロッドを用いたスラブが最も優れ、他はほぼ同程度であった。(2)補強筋の剛性はひずみの残留する度合いに大きな影響を与え、鉄筋を用いたスラブでは載荷点直下で残留する度合いが高く、AFRPロッドを用いたスラブでは載荷点と支点の中間付近で残留する度合いが高い。(3)補強筋の剛性および付着特性はスラブ表裏面のひびわれ性状に大きな影響を与え、これはまたスラブの変形性状に密接に関連している。(4)最大衝撃力の計算値は70kgf載荷では実験値の下限値を与え、100kgf載荷では実験値と比較的良好に一致した。また、最大衝撃力の実験値はいずれの載荷でも補強筋の剛性や付着特性に顕著には影響されない。
PDFファイル名 014-01-2114.pdf


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