種別 論文
主題 格子状FRP筋を用いたスラブのせん断破壊に関する基礎実験
副題
筆頭著者 高橋義裕(北海学園大学)
連名者1 角田輿史雄(北海道大学)
連名者2 佐藤靖彦(北海道大学大学院)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 685
末尾ページ 688
年度 1992
要旨 はじめに
近年、腐食をおこさないコンクリート補強材として、高強度で軽量な炭素繊維、ガラス繊維あるいはアラミド繊維などの新素材を用いた、繊維強化プラスチックス(Fiber Reinforced Plastics、以下FRPと略す)の棒材の開発と応用に対する関心が高まっている。これらのFRPロッドをRCあるいはPCの主鉄筋として利用する研究が盛んに行われている。その内容としては、はり部材の静的荷重に対する曲げせん断性状および繰返し荷重に対する疲労性状に関するものが多く、その基本的な性状も明かにされつつあり、現在は、FRPロッドの緊張材としての利用方法も検討されている。しかし、FRPロッドをスラブに用いた場合の研究はあまり行われておらず、その破壊性状等の解明が急がれるところである。鉄筋で補強されたスラブの破壊としては、曲げ破壊とせん断破壊に大別される。さらにせん断破壊では、部材幅全長にわたって破壊が生ずるはり型せん断破壊と荷重直下のコンクリートが局部的に破壊する押抜きせん断破壊とに分けて考えることができる。本研究は、鉄筋の代わりに平面格子状FRPロッドで補強されたスラブ(以下FRPスラブと呼ぶ)の押抜きせん断破壊に着目し、その破壊性状を示すとともに、RCスラブとの比較においてどの程度の水準であるかも検討したので、その結果を示すものである。
まとめ
本研究は、格子状FRPロッドで補強したFRPスラブのせん断破壊に関し、実験的に調べたものであり、今後さらに解明すべき点が多く残されてはいるが、本研究で得られた結果を列記すれば次の通りである。1)FRPスラブ破壊時のFRPロッドのひずみはFRPロッド破断時のひずみに達しておらずかなり低い範囲にあった。このことからFRPロッドのひずみの低いレベルにおいて中立面の位置がかなり上昇しコンクリートの圧縮領域がかなり狭くなり耐力を失なったものと思われる。2)FRPスラブ破壊時までたわみは直線的に増加し、最終的には脆性的に破壊した。しかし、終局時におけるたわみはRCスラブの場合に比べて約5倍程度の大きさを示すものであった。3)示方書式によりFRPスラブの耐力を評価するとき、補強筋比にFRPロッドと鉄筋との弾性係数比を乗じた換算補強筋比を用いることにより実験値と計算値とは比較的良い対応を示した。
PDFファイル名 014-01-2118.pdf


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