種別 | 論文 |
主題 | 鋼管柱に接続されたフラットスラブの力学性状に関する実験的研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 平出亨(竹中工務店) |
連名者1 | 岡本晴彦(竹中工務店) |
連名者2 | 大島基義(竹中工務店) |
連名者3 | 高橋賢司(竹中工務店) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 14 |
号 | 2 |
先頭ページ | 741 |
末尾ページ | 746 |
年度 | 1992 |
要旨 | はじめに フラットスラブを地下躯体に採用することは、根切量の低減、設備動線の自由度の増大および地下空間の有効利用の観点から有効な手法であると考えられている。またその柱を鋼管柱として構真柱と兼ねる逆打ち工法も採用されている。フラットスラブに鋼管柱を接続する場合の接合部の構造は、鋼管柱に貫通孔をあけスラブの主筋をそこに通す、いわゆる柱貫通の形式が考えられる。これに対し、鋼管柱には貫通孔を設けず、したがってスラブの主筋は柱貫通させずに柱の両側に配筋する、という接合部の形式は施工上の利点がある。図−1に示すような試設計地下躯体において、このようなスラブ筋が柱貫通しない形式の接合部を持つフラットスラブ構造が水平荷重を受ける場合の力学性状は明らかとはされていない。また、接合部の耐力はRC規準のフラットスラブの終局強度(11.16式、以下学会終局強度式と呼ぶ)を下回ることが予想される。本研究では、これらの性状を実験により確認することを目的として加力実験を行ったのでその結果を報告する。 まとめ 鋼管柱に接続されたフラットスラブの主筋が鋼管内を柱貫通しない形式の接合部に対し、RC造のフラットスラブとして設計された試験体の耐力確証実験を行なった。実験は水平荷重を受ける場合を想定した静的正負繰り返し載荷実験であり、以下の結果が得られた。(1)架構内の内柱を対象とした試験体の接合部は、長期鉛直荷重の載荷の有無、柱の断面形状、接合部のプレキャスト化の有無、および鉛直荷重の伝達機構の差異にかかわらず、RC規準によるフラットスラブの終局強度の34〜35%以上の耐力を有した。本実験では、接合部の耐力の最大値は確認できなかったものの、この形式の接合部が成立することを確証できた。(2)本実験結果の範囲内では、内柱の鋼管内を柱貫通せず柱側面で切断された床板の上端主筋も、RC規準のフラットスラブの終局強度評価式における耐力算定断面位置では曲げモーメントの負担に寄与した。(3)架構内の側柱を対象とした試験体では、外端の梁型部分が鋼管柱によって外側に押し出され、この梁型の水平方向のせん断破壊によって接合部の最大耐力が決定したと考えられる。この破壊機構と既往の梁のせん断耐力評価式を用いて試験体の接合部の最大耐力を大略評価できた。 |
PDFファイル名 | 014-01-2128.pdf |