種別 論文
主題 PPCS合成桁のずれの影響に関する研究
副題
筆頭著者 蔵重良和(山口大学大学院)
連名者1 浜田純夫(山口大学)
連名者2 兼行啓治(山口大学)
連名者3 阿部宗人(ピー・エス)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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2
先頭ページ 785
末尾ページ 790
年度 1992
要旨 まえがき
我国における橋梁は、近年の交通量の増大や重量車輛により過酷な条件にさらされている。特に道路建設ラッシュ時においては、合成桁が極めて多く施工されている。当時の合成桁は、施工の経済性のために主桁間隔を広くとるなど、床版に厳しい応力が作用することとなった。このため、すでに床版の取り換えなどの工事もすすめられている。同じ主桁間隔であれば、現行示方書ではより厚い床版を用いなければならず、死荷重の増大など鋼桁部により大きい負担が生ずることとなっている。そこで開発されたのが、PPCS(プレストレスプレキャスト合成スラブ)工法である。この工法は、あらかじめコンクリート床版にプレストレスを導入し、後に合成作用させてプレストレスを解放する方法である。この方法では鋼桁に、作用荷重によるものと逆の応力が作用する利点がある。このPPCS桁に関する研究はいくらか行われ、設計・施工の基準も検討されている。しかし、このような桁ではコンクリートは鋼桁に全く付着せず、ジベルだけがずれ止めの役割を果している。このため、普通の合成桁よりPPCS桁の方がずれに関しては厳しい条件となっている。そこで、本研究ではPPCS工法による模型桁供試体を3体製作し、次の点に注目して実験を行った。(a)プレストレスの導入量、(b)プレストレスの解放により生じるコンクリートスラブと鋼桁とのずれ、および解放により鋼桁に導入される応力、(C)プレストレスの解放量を変えた供試体、および解放しない供試体の静的載荷試験を行いその耐荷力、および(d)不完全合成桁の有限要素解析法の適用性の4点である。これらを、本実験で用いた実験供試体を対象として解析を試み、実験結果との比較を行い、PPCS合成桁の活用に関して研究を行うものである。
むすび
プレストレス力の導入時のひずみ分布は、接合面の不具合や、スタットジベル用孔の影響、ゲージ位置の関係等により部分的なばらつきがみられた。しかし、PC鋼棒の引張管理には、ロードセルの値とPC鋼棒のひずみを荷重に変換した値の両方を用いたこと、またアンカープレートをコンクリート床版断面に対し十分大きなものを使用していること等を考えると、適切なプレストレス力がプレキャストコンクリート床版に与えられた。プレストレス解放時においては、端部以外はコンクリート床版と鋼桁が一体となった完全合成桁に近いひずみ分布を示した。桁端部においてはコンクリート床版と鋼桁との間にずれひずみがみられ、実験値は不完全合成桁としての解析値と一致した。軸力を解放した場合にどの断面においても、解析値とほぼ同じ応力の導入が行なわれた。載荷試験では、各供試体に大きい差違は現れなかった。耐荷力や、たわみは3供試体のうち導入されたプレストレスを全部解放した供試体1が最も強度があらわれた。なお、この様な桁は橋梁に用いられるので、終局耐力よりも疲労耐力が問題となることが多い。今後疲労荷重を受ける時の挙動を研究する必要がある。
PDFファイル名 014-01-2136.pdf


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