種別 論文
主題 外部拘束を受けるRC壁板圧縮ストラットの圧縮性能に関する実験的研究
副題
筆頭著者 江崎文也(九州共立大学)
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連名者5  
キーワード
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先頭ページ 831
末尾ページ 836
年度 1992
要旨
耐震壁の壁板周辺のフレームが十分にせん断補強されていれば、耐震壁の耐震性能は、せん断ひび割れが発生した壁板の膨張に伴う周辺フレームの拘束作用を受けるRC板要素からなる圧縮ストラットの圧縮性能に大きく依存する。RC板要素の圧縮性能に関するこれまでの実験的研究では、壁筋のみによる拘束及び外部からの一定拘束力下での圧縮性能について検討が行われている。現行の鉄筋コンクリート造建物の終局強度型耐震設計指針では、これらの研究成果に基づき、コンクリート圧縮強度の有効係数νが導入されている。しかし、耐震壁の壁板は、壁筋よりもむしろ、ひび割れ発生後生じる壁板の膨張に伴う周辺フレームからより大きな変動拘束力を受けることを考慮すると、外部からの変動拘束力を受ける壁板コンクリートの圧縮性能を明らかにすることが必要と考えられる。そこで、本研究は、ひび割れ発生後の壁板の応力状態をモデル化するため、RC板要素がストラット方向に圧縮力を受けると同時に、ストラットと直交方向に引張力を受け、圧縮応力の増加とともに変動する拘束力を受けることが可能な実験装置を開発し、上記の応力状態にある壁板の圧縮性能を実験的に明らかにしようとするものである。
結論
圧力場を形成する壁板の応力状態をモデル化するための加力装置を開発し、この装置を用いて変動圧縮力と変動引張力を同時に作用させた45°方向圧縮ストラット壁板の実験を行った結果、以下のことがわかった。(1)せん断ひび割れの発生により生じる壁板の膨張を壁筋のみで拘束する場合よりも、壁筋とともに壁板周辺のフレームなどにより外部拘束した場合の方がせん断ひび割れにより形成される壁板コンクリートストラットの圧縮強度が高くなる傾向があること。(2)付着が期待できない丸鋼を壁筋に使用し、壁板周辺フレームなどにより壁筋が降伏を起こす近傍まで壁板の広がりを拘束するような耐震壁の場合、その壁板がせん断破壊を起こして水平耐力に達するときの壁板のせん断強度は、壁板を完全に拘束した場合の実験から得られた壁板コンクリートのせん断強度にほぼ近い値となることが予測されること。(3)壁筋が降伏点近傍の引張応力状態まで拘束されて圧壊を生じる壁板ストラットの圧縮強度は、壁筋量に影響され、その値はコンクリートシリンダー強度の5〜7割程度となること。
PDFファイル名 014-01-2144.pdf


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