種別 論文
主題 耐震壁の浮き上がりを考慮した立体壁フレーム構造物の弾塑性挙動解析
副題
筆頭著者 傅金華(東北大学大学院)
連名者1 柴田明徳(東北大学)
連名者2 斉藤大樹(東北大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
14
2
先頭ページ 879
末尾ページ 884
年度 1992
要旨 はじめに
耐震壁を含む鉄筋コンクリート構造では、耐震壁の高いせん断剛性とせん断耐力のため、優れた耐震性が期待できる。又、耐震壁の脚部の曲げ降伏と基礎の浮き上がりなどが許容されることにより、建物にはかなり大きな靱性が得られる。この時、耐震壁とつながる直交梁には基礎の浮き上がり、あるいは耐震壁脚部の回転によって、大きな上下変形が生じ、耐震壁に対する拘束作用が生ずる。又、耐震壁が大きなせん断力を負担するため、基礎の浮き上がりを生ずると、骨組全体の挙動に大きな影響を与える。したがって、立体壁フレーム構造における直交梁の拘束効果及び基礎の浮き上がりの影響を明らかにすることは極めて重要である。現在、鉄筋コンクリート造純フレーム構造については、立体解析はかなり盛んに行なわれている。耐震性の優れた耐震壁を有する鉄筋コンクリート造骨組(壁フレーム架構)の立体解析は弾性範囲での研究が多くなされているが、弾塑性範囲では主に骨組の立体性を無視し、各フレーム連成の平面解析であり、壁に直交する梁による拘束効果や壁の浮き上がりの影響などまだ不明な点が多い。本研究では、柱の2方向曲げ、軸力と曲げの相互作用及び耐震壁の浮き上がりなどを考慮した立体弾塑性解析プログラムSTERA(Program For STructural Earthquake Response Analysis)を開発した。又、このプログラムを用いて、同一耐震壁骨組に対して、直交梁を無視した平面解析とこれを考慮した立体解析を行ない、直交梁の拘束作用、柱軸力の変動などについて検討した。
まとめ
耐震壁を含む鉄筋コンクリート造骨組の水平1方向漸増載荷に対する立体及び平面弾塑性解析を行なった。これより以下の解析結果を得た。(1).直交梁の拘束効果により、耐震壁の負担せん断力は増加し、骨組全体の剛性は上昇する。(2).基礎の浮き上がりにより、骨組全体の剛性は漸減する。その性状は動的挙動に大きく影響するものと考えられる。(3).耐震壁のせん断力負担は基礎の浮き上がり後も境界梁の拘束により漸増することがある。このことは、耐震壁の終局設計に於いて考慮される必要があると考えられる。(4).直交梁を通じて耐震壁とつながる柱の軸力に対しては、直交梁の拘束作用が無視できない。(5).大変形時には、耐震壁に直交する梁が塑性化する場合がある。以上、静的解析を通じて、立体耐震壁骨組の弾塑性性状を調べ、その問題点を考察した。地震時に基礎バネの強弱が骨組挙動に及ぼす影響、動的な2方向地震が入力する時における立体壁フレーム構造物の弾塑性挙動の評価などは今後の課題である。
PDFファイル名 014-01-2152.pdf


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