種別 報告
主題 ハイパフォーマンスコンクリートの実構造物における製造と品質管理
副題
筆頭著者 濱園喜代一(麻生セメント)
連名者1 生野千力(麻生セメント)
連名者2 大矢一夫(西松建設)
連名者3 西山直洋(西松建設)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 39
末尾ページ 44
年度 1992
要旨 まえがき
東京大学・岡村研究室により提唱されたハイパフォーマンスコンクリート(以下HPCと言う)は、高い流動性と材料不分離性を有するため、施工に際しては、締固めは不用となり省力化がはかられ、かつコンクリートは緻密になり高耐久牲であるといわれている。この概念を基に、現在、様々な分野で、いわゆる超高流動化コンクリートの研究開発が試みられ、実施例もかなり知見されてきた。しかしながら、現状でも、粉体最適粒度構成、混和剤との適応性、フレッシュ時の定量的品質評価方法等、解決されるべき点も多く残されている。筆者らは、平成3年7月、普通セメント、高炉スラグ粉末およびフライアッシュを用いた三成分系のHPCを、生コンクリート工場で製造し、実構造物(RC造平屋、床面積57m2)に適用して施工を実施した。本報告は、実機によるHPCの製造状況と、フレッシュ時ならびに硬化後の諸物性についてまとめたものである。
まとめ
今回のHPCについて、実機による製造を通じ、以下のことが確認された。1)普通コンクリートの製造と比較して、材料の分散に要するエネルギーが大きくミキサーの油圧モーターにかかる負荷値が大きいため、混練り量を減少しても粗骨材の投入をかなり遅らす必要があり、負荷値が一定に落ち着くまでの時間(混練時間)も大きい。また、高粘性であるため、一定に落ち着いた時の負荷値も大きい。2)骨材の含水量を事前管理すれば、流動性の一指標であるSF値は、混和剤量だけの調整により容易に管理できた。なお、ロット間の物性差は、試験結果からは認められなかった。3)SF値の経時に伴う減少は、JISのレデーミクストコンクリートで定められた運搬時間内では問題ない。4)強度は、初期から非常に高く、全材令にわたり高強度コンクリートの範囲に入るコンクリートである。その反面、水和発熱量は低いため、今後の利用分野の拡大が期待される。5)中性化速度は、普通セメントを3倍以上用いた同等強度の高強度コンクリートよりもかなり遅いことから、非常に緻密な構造が推察される。6)中性化速度が遅いことと透水性は低いことは、ブリージングの生じないコンクリートであるためそれによって生じる毛細管量が非常に少ないことも原因の一つと考えられる。7)凍結融解抵抗性は、今回の施工現場は九州ということもあり大きな問題とはならないが、寒冷地域においては、フライアッシュを多量に使用する場合、最適空気量の検討は大きな課題と言える。混和剤の種類および使用量について、今後の対策および検討が必要である。
PDFファイル名 014-02-1003.pdf


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