種別 | 報告 |
主題 | 砕石粉の品質評価方法に関する一実験 |
副題 | |
筆頭著者 | 田村博(日本建築総合試験所) |
連名者1 | 高橋利一(日本建築総合試験所) |
連名者2 | 五十嵐千津雄(日本建築総合試験所) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 14 |
号 | 1 |
先頭ページ | 245 |
末尾ページ | 250 |
年度 | 1992 |
要旨 | はじめに 本報告は、砕石・砕砂の生産に伴って産出される砕石粉を、コンクリートに有効利用するため、当試験所が自主研究として1998年より取組んでいる継続研究の成果の一部を取りまとめたものである。前報では、砕石粉の海外における活用の現状と既往の研究成果を踏まえて、基礎的な実験的検討を行い、次のようなことを明かとした。1)山砂・砕砂と砕石粉について、洗い試験・砂当量試験・粒度分布測定ならびに粉末X線回折による鉱物の同定を行った結果、砕石粉はコンクリートに有害な粘土鉱物などの不純物量が、山砂や砕砂に含まれる微粒分に比べて少ないことが判明した。このことから、砕石粉はコンクリート用混和材料として利用できる可能性が高い、と判断された。2)アルカリシリカ反応性の異なる砕石粉を用いたモルタルについて、モルタルバー法ならびに生コンGBRC促進法の試験を行った結果、砕石粉使用によるアルカリシリカ反応の抑制効果が認められた。3)砕石粉をコンクリート用混和材料として用いるためには、まず砕石粉の品質評価方法が必要であり、フランスの砕石粉の品質規格に取入れられている砂当量試験やメチレンブルー量試験が同試験方法として有望である。従って、まず砂当量試験やメチレンブルー量試験を国内の各種岩種の砕石扮ならびに、各種生産工程により生産される砕石粉に適用して、砕石粉の品質の実態を調査する必要がある。同調査結果に基づいて代表的な砕石粉を選定し、砕石粉を使用したコンクリートに関する各種実験を行い、砕石粉使用コンクリートの性能を確認するとともに、砕石粉の品質評価規準ならびに同コンクリートの調合設計・施工指針案を策定するのがよい。本報告は、砕石粉の品質評価方法として有望な、砂当量試験とメチレンブルー量試験に注目し、岩種ならびに吸水率の異なる砕石を粉砕して作製した砕石粉試料と、比較用として、粘土、石灰石粉、スラグ粉といった粉体試料を用いて両試験を実施した結果につて述べたものである。 まとめ コンクリート混和材料として有望な砕石粉について、砂当量やメチレンブルー吸着量試験を実施した結果、コンクリートに有害とされている粘土、現在既にコンクリートに用いられているスラグ粉や石灰石粉との試験結果の関係が明なとなり、砕石粉の品質評価方法として、砂当量試験やメチレンブルー吸着量試験が有望であることが判明した。今後さらに、これらの評価方法により分類した粉体を使用した、コンクリートによる実験を行い、コンクリートとしての性能を検討していくとともに、砕石粉の品質評価規準を確立していく必要がある。 |
PDFファイル名 | 014-02-1039.pdf |