種別 報告
主題 高流動コンクリート用増粘剤の基礎的性状について
副題
筆頭著者 山川勉(信越化学工業)
連名者1 早川和良(信越化学工業)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 325
末尾ページ 330
年度 1992
要旨 はじめに
近年、ハイパフォーマンスコンクリートをはじめとし、高流動コンクリート(締固め不要コンクリート)が注目され、流動性と材料分離抵抗性という相反する性質を同時に高める研究が活発になされている。既に、水中不分離性コンクリートにおいては、セルロース系増粘剤と高性能減水剤を用いることにより、流動性と材料分離抵抗性に優れることが示されている。また、逆巻コンクリートにおいては主としてブリージング防止の目的で、セルロース系増粘剤が使用されているが、多量に添加すると凍結融解抵抗性に劣るという欠点があり、高流動コンクリートヘの使用が限定されていた。筆者らは各種セルロース系水溶性高分子の界面活性作用とコンクリートの気泡組織の関連性に着目し、研究を進めた結果、微細で安定な気泡を連行し、凍結融解抵抗性を改善するセルロース系増粘剤(以下LAC)を見い出した。本報告は流動性、材料分離抵抗性、強度特性、凍結融解抵抗性に及ぼすLACの影響について基礎的実験を行った結果をまとめたものである。
まとめ
今回の実験の範囲で明らかになったことをまとめると以下のようになる。1)モルタルの静置フローはLACの添加量に対して上に凸の曲線となり、モルタル粘度とも相関があり、LACによる潤滑性および増粘による結果と考える。また、ピークとなる添加量はLACの分子量により異なる。2)モルタルのブリージングはLACの添加量および分子量に影響される。3)コンクリートの鉄筋通過率はLACの添加量および分子量に影響され、モルタルの場合と同様にピークが存在する。この添加量はモルタルの静置フローのピーク位置とほぼ同じであり、LACの場合、モルタル配合によりコンクリート配合での最適LAC粘度、最適添加量を、ある程度推定することができる。4)LAC添加コンクリートは無添加コンクリートと比較し、凝結遅延性があるが、圧縮強度特性について有意差は認められなかった。5)LAC添加コンクリートの凍結融解抵抗性は、無添加コンクリートより若干高めの空気量にすることにより改善される。今後は、セメント結合材の種類、量、他の混和剤の併用などによるワーカビリチーへの影響、凍結融解抵抗性への影響を検討し、増粘剤を添加した高流動コンクリートの配合技術を確立するためのデータを収集する予定である。
PDFファイル名 014-02-1053.pdf


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