種別 | 報告 |
主題 | セメントを安定材とし関東ロームを助材とする事前混合処理土の水中分離抵抗性 |
副題 | |
筆頭著者 | 伊藤亜政(群馬大学大学院) |
連名者1 | 富岡良光(三井不動産) |
連名者2 | 辻幸和(群馬大学) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 14 |
号 | 1 |
先頭ページ | 529 |
末尾ページ | 532 |
年度 | 1992 |
要旨 | まえがき 水中盛土を前提とし、セメントを安定材とする事前混合処理土(以下、処理土という)には、高い水中分離抵抗性と優れた経済性が求められている。近年、水中コンクリートにおいて、優れた効果を示す水中不分離性混和剤が盛んに活用されている。水中不分離性混和剤は、コンクリートに混合されて増粘作用と保水作用を示す。これらの作用により、水中不分離性コンクリートには材料分離抵抗性とセルフレベリング性の向上およびブリージングの抑制などの効果が付与されている。処理土においても水中分離抵抗性を高めるうえで、粘性と保水性を処理土に付与することが有効と考えられる。筆者らは、処理土に粘性と保水性を付与する方法として、火山灰質粘性土の一種である関東ロームが、助材として用いて処理土の強度と流動性の改善にも効果があり、経済的であることから、関東ロームを助材として処理土に混合することと、打設における改善方法として、処理土がトレミー管から流出する水域を、分離防止剤としての強アニオン性ポリアクリルアミド高分子の低濃度水溶液に置き換えることとを、それぞれ考案した。本文は、この方法を用いた処理土の水中分離抵抗性に関する今後の実験の基礎資料を得るため、粘性土の種類とその有無・トレミー管の有無・分離防止剤のポリアクリルアミド水溶液の濃度を要因とした室内実験を行い、その結果を水中分離抵抗性の指標である処理土の水中気中強度比・濁度・pH等について検討し、適切な打設方法を提案したものである。 まとめ 本文は、事前混合処理土の水中分離抵抗性を高めるための経済的な方法を確立することを目的とし、今後の実験の基礎資料を得るため、粘性土を助材として混合しセメントを安定材とする処理土の水中分離抵抗性、処理土のトレミー管からの流出状況およびポリアクリルアミド水溶液の材料分離と汚濁拡散の防止効果を、室内実験により検討したものである。本実験で得られた主な結果は次のようである。1)処理土の水中分離抵抗性を高めるうえで、粘性土を助材として処理土に混合することは有効である。そして、火山灰質粘性土の一種である関東ロームを助材として用いる場合は、添加量を割り増すことにより、適度の流動性を保持しつつ、ベントナイトと同等の効果が得られる。2)トレミー打設において、トレミー管先から流出する処理土は管先周辺に盛り上がり、その水平圧力により、それをとりまく部分の処理土が静かに外側へ押し出されることが明らかとなった。従って、トレミー管の管先部分の処理土の分離を防止する対策が重要である。3)処理土の低濃度ポリアクリルアミド水溶液中へのトレミー打設は、特に汚濁の拡散防止に優れ、pHの上昇を抑制し、処理土の水中強度を溶液濃度10〜20ppmにおいて最大とし、単位体積質量を水溶液濃度20ppm以下の範囲においてわずかな低下に止めるなどの効果を持つ。以上から、助材として関東ロームを混合しセメントを安定材とする処理土を、低濃度ポリアクリルアミド水溶液でトレミー管先周辺部を置き換えた水域中へ打設する方法を用いることが、処理土の材料分離および汚濁拡散を防止するうえで有効であることが、室内実験レベルで示された。 |
PDFファイル名 | 014-02-1088.pdf |