種別 | 報告 |
主題 | コンクリートの止水性能評価モデルの検討 |
副題 | |
筆頭著者 | 広永道彦(電力中央研究所) |
連名者1 | 遠藤孝夫(電力中央研究所) |
連名者2 | 小野定(清水建設) |
連名者3 | 名倉健二(清水建設) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 14 |
号 | 1 |
先頭ページ | 727 |
末尾ページ | 732 |
年度 | 1992 |
要旨 | はじめに 昨今、コンクリート構造物は海洋および地下と幅広い分野で建設され、その使用環境および要求される機能も非常に厳しいものとなってきた。例えば、放射性廃棄物の埋設施設のように、建設後の保守・補修が困難で、しかも長期に亘り耐久性が期待されるようなコンクリート構造物もある。そのような構造物に要求される機能の一つに水密性と耐久性があり、これらの性能を維持することは、その機能性、安全性および経済性の上からも非常に重要な課題である。しかし、コンクリートの水密性および耐久性の評価と一口にいっても、その構造物が置かれる環境によって、その水密性や耐久性に影響を与える劣化現象は様々であるため、評価対象となる構造物の環境条件を考盧して、適切に評価することが必要である。コンクリート自体の水密性に関する研究については、古くから多くの研究者によって検討されている。しかし、そのほとんどが、健全なコンクリートに関する水密性の研究で、劣化現象が作用したコンクリートの水密性の研究では、貫通ひびわれを有するコンクリートの水密性の研究で2、3の実験式が提案されているのみであり、初期欠陥および物理的な作用で発生した表面ひびわれを有するコンクリートの水密性に関する研究はほとんど見受けられないのが現状である。一方で、表面ひびわれに関する研究は、乾燥収縮および温度応力ひびわれなどのように、そのひびわれ性状(幅、間隔等)を数量化し、様々な構造物の評価に適用されている研究成果もある。本報告は、初期欠陥および物理的劣化で発生する表面ひびわれを有するコンクリートの止水性能を評価できる手法を確立するために、既往のひびわれ性状等の数量化式に基づいて、地下10m以浅の地下構造物の止水性能を評価するモデル構築を試みたものである。 まとめ 本報告は、既往の研究に基づいてコンクリート構造物の止水性能評価モデルの構築の可能性を検討したものである。しかし、本評価モデルは実測データに基づいた検証がなされていないため今後は表面ひびわれを有するコンクリートの透水試験から得られたデータでモデルを検証する予定である。また、評価モデル構築上重要な個々の劣化作用のうち、初期欠陥、物理的劣化については発生するひびわれの幅、間隔は既往の研究で数量化できるものの、ひびわれの深さ、方向については未解明な部分が多々ある。さらに、化学的劣化についても、浸食速度が未だ不明な点が多いため今後、実験等によってその特性を明確にし、本評価手法の実用化を図る予定である。 |
PDFファイル名 | 014-02-1124.pdf |