種別 | 報告 |
主題 | 堤体増厚におけるダムコンクリートの温度解析についての一検討 |
副題 | |
筆頭著者 | 南木宏和(九州大学大学院) |
連名者1 | 阪本好史(九州大学) |
連名者2 | 牧角龍憲(九州大学) |
連名者3 | 山口慶和(九州大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 14 |
号 | 1 |
先頭ページ | 1093 |
末尾ページ | 1096 |
年度 | 1992 |
要旨 | まえがき 堤体を改良して既設ダムの再利用を図る計画が近年多くなってきている。今回報告するダムにおいても、ダムの若返りを目的に改修工事が行われた。この工事は、過去にあまり例のみられない堤体上流側へのコンクリートの増厚であり、その増厚幅は堤体下部と上部では変化が大きい。改修工事により、新コンクリートから発生した熱負荷は一体化した新旧堤体を熱変形させようとするが、新コンクリートの硬化過程ではその剛性が両堤体で異なり、変形・応力に直接影響を及ぼしてしまう。そこで問題となるのが、新コンクリートの水和熱発生にともなう温度応力である。つまり、温度的に平衡に達している旧堤体に熱負荷を加えることにより堤体内で著しい温度変化が起こり、これが増厚ダム特有の温度応力を発生させ、場合によっては有害なひびわれを発生させてしまうのである。とくにこのダム改修工事は、通常のダム工事と異なり旧堤体の拘束を大きく受けることが考えられるためより正確な温度応力の推定が必要となる。温度応力解析をより正確に行うためには、まずもととなるコンクリート打ち込み後の温度変化の推定を精度よく行わなければならない。しかし、マスコンクリートの熱伝導解析を行う際の熱特性値は、事前の試験を通じて求めていたとしても、その値が必ずしも実際施工しているときの値に近いとは限らない。本報告では、実測値に近い推定値を与える熱特性値を用いて新コンクリート打ち込み後の温度変化についての検討を行った。 まとめ 以上の検討から、コンクリートの任意の打設温度における断熱温度上昇式の推定は、温度解析において大変重要であるということが認められた。とくに断熱温度上昇式(1)におけるγの値が最高温度に及ぼす影響は大きいため、その値についての種々の配合条件ならびに打設温度における今後のデータ蓄積と推定式の確立が必要であると思われる。 |
PDFファイル名 | 014-02-1189.pdf |