種別 | 論文 |
主題 | 低熱ポルトランドセメントを用いた超高強度コンクリートの特性 |
副題 | |
筆頭著者 | 田中恭一(藤沢薬品工業) |
連名者1 | 佐藤孝一(熊谷組) |
連名者2 | 菅一雅(熊谷組) |
連名者3 | 斉藤力(藤沢薬品工業) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 1 |
先頭ページ | 31 |
末尾ページ | 36 |
年度 | 1993 |
要旨 | はじめに 近年、コンクリート構造物の大型化や建築物の高層化にともない、コンクリートの高強度化が進められており、その要求に応える材料・施工法の研究が盛んに行われている。最近では、設計基準強度が1000kgf/cm2以上の超高強度コンクリートの実大施工実験も行われており、実用化に向けて問題点が克服されつつあるが、超高強度コンクリートは、セメント量が多いため温度ひび割れの発生、長期強度の伸びが小さい等の問題点が指摘されている。このような問題点に対して、材料面からのアプローチとして、低発熱セメントの開発・実用化が進められている。本論文は、高ビーライト型低熱ポルトランドセメントに着目し、設計基準強度が1000kgf/cm2を越える超高強度コンクリートへの適用の可能性について検討したものである。試験は高ビーライト型低熱ポルトランドセメントを用いたフレッシュコンクリートの性状、硬化コンクリートの性状、熱的性質等について確認するとともに、普通ポルトランドセメントとの比較および粗骨材が強度におよぼす影響についても検討を行った。 まとめ 本研究で得られた結果をまとめると以下のとおりである。(1)フレッシュコンクリートの性状のうち、低熱セメントを使用した場合のミキサの消費電力は、普通セメントの場合と同様である。低熱セメントは普通セメントに比べて、高性能AE減水剤の添加量に対する凝結の遅延が大きくなる傾向を示す。(2)粗骨材の選定には比重、破砕値等のほかに、骨材の破壊性状にも留意する必要がある。本実験の範囲では、粗骨材の最大寸法を小さくしても、高強度を得るのに有利にはならなかった。(3)低熱セメントは普通セメントに比べて、長期強度の伸びが大きく、水結合材比20%では材令91日で約1500kgf/cm2の圧縮強度が得られた。封緘養生での強度は標準養生の95〜100%である。引張強度は圧縮強度1000kgf/cm2に対して1/18程度である。静弾性係数は粗骨材の比重が大きいものの方が大きくなる。(4)低熱セメントの断熱温度上昇量は普通セメントに比べて低く、高強度コンクリートの温度上昇低減に有効である。これらの結果より、低熱セメントは超高強度コンクリートに十分通用可能であると考えられる。 |
PDFファイル名 | 015-01-1002.pdf |