種別 | 論文 |
主題 | 高強度コンクリート中でのシリカフュームの分散状態の研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 米澤敏男(竹中工務店) |
連名者1 | 柳橋邦生(竹中工務店) |
連名者2 | 池尾陽作(竹中工務店) |
連名者3 | 朝倉悦郎(三菱マテリアル) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 1 |
先頭ページ | 69 |
末尾ページ | 74 |
年度 | 1993 |
要旨 | はじめに シリカフュームは、粒径0.1〜0.5μm、SiO2含有量90〜97%程度のガラス質シリカの超微粒子であり、高強度コンクリートの流動性の向上、特に粘性の低減に有効である(1).同時に硬化コンクリートの強度を始めとした力学的性能の向上にも大きく寄与する。しかし、シリカフュームのこれらの作用機構には未解明の点が多い。特にシリカフュームが高強度コンクリートの流動性を改善する機構はほとんど解明されていない。この機構を知ることはシリカフュームの利用技術を向上させ、高強度コンクリートの性能を向上させる上で重要である.この研究はシリカフュームの高強度コンクリートに対する流動性向上作用を知るうえで、フレッシュコンクリート中でのシリカフュームの分散状態を把握することが必要であるとの観点から、レーザー回折式粒度分布測定装置による実験と走査電子顕微鏡・レーザー顕微鏡による観察に基づいてシリカフュームの分散状態を考察したものである。 結論 シリカフュームの分散状態に関する粒度分布測定と顕微鏡観察により以下の点が結論された。(1)シリカフュームとセメント混合物の粒度分布はセメント単味とほぼ同じ粒度分布を示す。これは、セメント粒子の表面にシリカフュームが凝集するためと考えられる。(2)シリカフュームとセメントで調製したペーストの走査電子顕微鏡とレーザー顕微鏡を用いた観察によりシリカフュームがセメント粒子の表面に凝集してセメント粒子をコーティングしていることが確認される。(3)粒度分布と顕微鏡観察の結果からシリカフュームがセメント粒子の表面に凝集していること、セメント粒子表面の一部にはシリカフュームの凝集していない部分のあること、およびセメント粒子間に凝集塊を形成したシリカフュームも存在することが結論される。(4)シリカフュームによる高強度コンクリートの流動性向上作用は、セメント粒子表面に凝集しセメント粒子をコーティングしたシリカフュームのボールベアリング作用と静電反発力によるものと推定される。 |
PDFファイル名 | 015-01-1009.pdf |