種別 論文
主題 高流動コンクリートの配合が施工性及び充填性に及ぼす影響
副題
筆頭著者 坂田昇(鹿島建設)
連名者1 中下兼次(東京ガス)
連名者2 深田敦宏(鹿島建設)
連名者3 万木正弘(鹿島建設)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 131
末尾ページ 136
年度 1993
要旨 はじめに
東京大学・岡村研究室においてハイパフォーマンスコンクリートが提唱されて以来、コンクリート施工の省力化及びコンクリート構造物の信頼性向上を目指し、高密度配筋部においても自重のみで密実に充填する高流動コンクリート(あるいは超流動コンクリート)に関する研究が盛んに行われ実用化されつつある。しかし、現時点では実構造物に高流動コンクリートを適用する場合、各構造物ごとに室内試験や施工実験をそれぞれ行って配合、施工法を定めているが、構造物の複雑さの程度や必要流動距離に対して要求されるフレッシュコンクリートの品質について総合的な検討は行われておらず、個々の構造物に対して目標品質やその管理の範囲を定めているのが現状である。今後、高流動コンクリートを一般的に普及させていくためには流動距離や鉄筋間隔等の施工条件に応じてフレッシュコンクリートに要求される品質を明確にする必要がある。そこで、本研究では品質が異なる高流動コンクリートを製造し、それらを鉄筋間隔等の施工条件が異なる壁体に締固めを行わずに打込む施工実験を行ったので、その結果について報告する。
まとめ
本研究で得られた結果をまとめると以下のとおりである。(1)特殊増粘剤を添加することによってスランプフロー等のばらつきの小さいコンクリートを製造できることを確認した。また、充填性の良い高流動コンクリートの配合でフレッシュコンクリートの性状を均一にすることによって、水平距離12.5mを流動させてもコンクリート中の粗骨材が一様に分布し、高密度配筋部においても圧縮強度及び静弾性係数等の品質が均一になることが分った。(2)タイプ2のように、材料分離抵抗性を考慮した配合でスランプフローが55cm程度と流動性が比較的小さいコンクリートでは、流動距離が2m以下の条件で鉄筋密度及び流動距離にかかわらず圧縮強度及び静弾性係数等の品質が均一になることが分った。(3)タイプ3のように、スランプフローが65cm程度と大きく、その範囲が±10cmとばらつきが比較的大きいコンクリートでは、部分的に静弾性係数のばらつきが大きくなるものの、流動距離が6m以下であれば流動距離にかかわらず圧縮強度等の品質がほぼ均一になることが分った。このように、今回の実験では、壁状構造物といった限られた施工条件ではあったが、3種類の高流動コンクリートの配合について、フレッシュコンクリートの品質と打込んだコンクリートの充填度や強度等の品質との関孫をある程度定量的に把握することができた。今後はさらにフレッシュコンクリートの品質と施工条件との関係を定量的に把握し、高流動コンクリート配合設計手法及び施工法の提案を行っていく予定である。
PDFファイル名 015-01-1020.pdf


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