種別 論文
主題 高強度コンクリートの破壊エネルギーに及ぼす骨材-マトリックスの相互作用の影響
副題
筆頭著者 中村成春(宇都宮大学)
連名者1 橘高義典(宇都宮大学)
連名者2 上村克郎(宇都宮大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 411
末尾ページ 416
年度 1993
要旨 はじめに
近年、コンクリート構造物の大型化、高強度化、多様化に伴い、コンクリート材料の合理的な性能評価基準が求められている。従来の普通強度コンクリートの破壊は、モルタルマトリックス強度に比べ粗骨材強度が高いために、粗骨材の介在により主ひびわれ進展モードがアレスト、傾向、分散され、ダクタイルな性質を示す。しかし、マトリックス強度を高めた高強度コンクリートの破壊は、相対的に粗骨材強度が低下するために、主ひびわれ進展モードが粗骨材を貫通するモードになり、変形能が低下し脆性的な性質を示す。さらに、平滑な破断面がひびわれ補修による靭性能の付与を減少させる。このように、破壊形態の異なるコンクリート材料を単一の設計基準で評価するのは合理的ではない。現状の設計基準値は、許容平均応力値として位置づけられる圧縮強度によるが、ひびわれ伝播に伴って消費されるエネルギーを考慮したエネルギー基準での評価も必要と考えられる。従って、エネルギー評価基準においては、ひびわれ進展の抵抗性に及ぼす粗骨材の作用の把握が重要であるが、まだ十分な検討はなされていない本研究は、粗骨材とモルタルマトリックスの相互作用が、高強度コンクリートの破壊エネルギーに及ぼす影響について、破壊力学的手法により実験検討することを目的とする。
結論
粗骨材とモルタルマトリックスの相互作用が、高強度コンクリートの破壊エネルギーに及ぼす影響について検討した結果、粗骨材のアレスト効果の発揮並びに粗骨材の増量が、破壊エネルギー向上の一因となることが示された。また、粗骨材とモルタルマトリックスとの相互作用の発揮には、粗骨材強度とマトリックス強度との適度なバランスが必要であり、高強度コンクリートでは粗骨材の効果が低下することが示された。さらに、エネルギーバランスに基づいて定義された粗骨材の分担する破壊エネルギーGfiにより粗骨材の性能の評価が可能であることが示された。
PDFファイル名 015-01-1068.pdf


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