種別 | 論文 |
主題 | マッシブなコンクリートの乾燥収縮に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 春山信人(前田建設工業) |
連名者1 | 加藤常夫(東京電力) |
連名者2 | 金谷淳二(東京電力) |
連名者3 | 篠田佳男(前田建設工業) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 1 |
先頭ページ | 423 |
末尾ページ | 428 |
年度 | 1993 |
要旨 | はじめに マッシブなコンクリートは、初期に断面内に蓄積されるセメントの水和熱により膨張し、内部温度の低下に伴い収縮する。また、長期的見地からは、コンクリート部材の暴露面から、セメントの水和に不必要となった水(自由水)が逸散し、乾燥収縮の作用を受ける。このようにコンクリートに体積変化を及ぼす要因は、初期の温度応力によるものと、長期の乾燥収縮によるものが支配的であり、これらの要因がRC部材のひびわれ発生の原因であるというのが一般論である。しかしながら、マッシブなコンクリートの体積変化に関する研究は、初期の温度応力に関するものが主で、長期物性に関する研究が不足しているように思われる。本研究は、これらの背景を考慮し、マッシブなコンクリートの長期における体積変化に着目し、大断面コンクリートの乾燥収縮、内部の水分移動に関する一連の実験的なアプローチを行い、マッシブなRC部材の長期変形挙動を精度良く推定する上で、信頼性の高い知見を得ることを目的としたものである。なお本報告は、屋外の自然環境下に放置した屋外暴露試験体と、恒温恒湿室内に設置した室内暴露試験体から得られた乾燥収縮ひずみに着目して検討を行ったものである。 結論 本研究は、マッシブなコンクリートの乾燥収縮を実験的検討を主に取り組んだものである。この結果、以下に示す結論を得た。1)大断面コンクリート部材での実験は、内部拘束や外部拘束等の拘束ひずみによる影響が考えられるが、本実験における温度とひずみの関係や、乾燥収縮ひずみの断面分布から得られた情報は、無拘束に近いものと推定できる。2)屋外の外部環境下に暴露された試験体は気象条件による影響をそのまま受けるが、乾燥収縮ひずみをみると、ほとんど値の変動が認められない。そのため、直接降雨・雪の影響を受ける環境下では、乾燥収縮によりひびわれや変形が問題となることはないものと思われる。3)恒温恒湿室内に暴露された試験体は、暴露面に近づくにつれ値を大きくしている。しかし、材令450日以上経過しても暴露面から5cm位置で250×10-6以下、更に25cm位置では100×10-6を下まわっていた。このようにマッシブなコンクリートは、一定の乾燥環境下においても乾燥収縮量が小さくなることが認められた。 |
PDFファイル名 | 015-01-1070.pdf |