種別 論文
主題 防水材を施したセメント硬化体の透水性状と接合面の付着強度
副題
筆頭著者 梶尾聡(日本セメント)
連名者1 岡本享久(日本セメント)
連名者2 富田六郎(日本セメント)
連名者3 田中敏嗣(日本セメント)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 513
末尾ページ 518
年度 1993
要旨 はじめに
本研究は、母材背面側から水圧(「背面水圧」と呼称)を受けるコンクリート構造物の表面に施す防水処理の合理的な設計のための基礎資料を得るために実施した。すなわち、母材となるコンクリート構造物を仮定したモルタルおよび防水層としたセメントペーストあるいはポリマーモルタルから成る二層複合体に背面水圧を作用きせた。この試験結果から、二層複合体の透水機構および付着特性を明らかにすることを目的とした。解析的な検討は、以下の手順で進めた。1)水銀圧入法によって測定した細孔分布を適用し、ハーゲンポアズイユの理論から透水係数を導く。2)母材および防水材のそれぞれの透水係数から、接合面における背面水圧の値を昇出する。3)圧力勾配から二層複合体の接合面での透水量を求め、この値を用いて二層複合体の透水係数を導く。実験的検討では、二層複合体についてアウトプット方式の透水試験および接合面の付着強度試験を実施した。以上の解析および実験結果を比較検討し、背面水圧を受ける二層複合体の接合面の透水性状および付着現象の解明を試みた。
まとめ
本研究では、防水材を施した構造物の透水特性および接合面での付着性状についての解析を中心とした検討を行った。本研究の範囲内で以下の結論が得られた。(1)セメント硬化体および二層複合体の透水係数あるいは二層複合体の接合面における水圧は、構成する硬化体の細孔分布から、ダルシー則に基づく式およびハーゲンボアズイユの理論に基づく式を用いて近似的に解析することが可能である。(2)二層複合体の接合面における水圧は、試験開始後徐々に増加した。本試験では約300時間後に一定値を示し、解析値とほぼ一致した。(8)二層複合体の接合面の付着強度は、接合面に作用する水圧により低下する。また、付着強度の低下は防水材の物性の影響を受け、接合面に作用する水圧の値にほぼ比例した関係となった。したがって、接合面における水圧を解析し、防水材の単位背面水圧当たりの付着強度低下量を推定することにより、背面水圧による影響を大略求めることができると考えられる。
PDFファイル名 015-01-1085.pdf


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