種別 | 論文 |
主題 | 蒸気養生過程で発生する鉄筋コンクリート部材の微細ひびわれ |
副題 | |
筆頭著者 | 阿波稔(東北学院大学) |
連名者1 | 大塚浩司(東北学院大学) |
連名者2 | 諸橋克敏(P・S) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 1 |
先頭ページ | 567 |
末尾ページ | 572 |
年度 | 1993 |
要旨 | まえがき コンクリート製品を製造する場合、一般に促進養生方法として蒸気養生が広く用いられている。蒸気養生において、その養生方法が不適切である時、コンクリートの耐久性が著しく低下する場合がある。その原因としては、蒸気養生過程でコンクリート表面および内部に微細なひびわれが発生することや細孔構造の変化が生じることなどが考えられている。しかし、蒸気養生のどの段階で、どのような微細ひびわれが発生するのか、また、その発生条件や発生機構などの面から検討したものは少なく不明な点が多い。本報告は、蒸気養生コンクリートの養生過程で発生する微細なひびわれの発生状況、発生条件および発生機構を解明することを目的に、種々の蒸気養生条件において発生した微細ひびわれの性状をX線造影撮影法を用い検出し、さらに鉄筋およびコンクリートの内部ひずみの変化と温度とを測定し、両者を比較検討した結果をまとめたものである。 まとめ 蒸気養生コンクリートの養生過程で発生する微細なひびわれの発生状況、発生条件および発生機構を解明するための実験を行った結果、実験の範囲内で次のことがいえる。1.蒸気養生過程で、コンクリートには骨材とペーストとの剥離、モルタル部における骨材間を連結するような微細なひびわれおよび比較的大きな気泡を起点とする放射状の微細ひびわれが発生することが分かった。2.骨材とべ一ストとの剥離は、主として、後養生温度を急速に下げた場合に生じること、モルタル部における骨材間を連結する微細ひびわれは、主として、前養生時間が不足した時に生じること、気泡を起点とした放射状の微細ひびわれは、主として、湿度上昇速度が大きいときに生ずることが分かった。3.蒸気養生過程のコンクリートのひずみ測定の結果、前養生時間が不足したり、上昇速度が大きかったりすると最高湿度に達した時点のコンクリートのひずみが他の条件の場合よりもかなり大きくなり、また、温度下降時の収縮量も大きくなることが分かった。4.後養生温度の急激な下降は、コンクリート内部と外部との温度の速いによる大きなひずみ差を生じさせ、また、内部の鉄筋と表面のコンクリートとのひずみ差も大きくすることが分かった。そのひずみの差は微細ひびわれを発生させるのに十分な大きさであった。 |
PDFファイル名 | 015-01-1094.pdf |