種別 論文
主題 サーモグラフィー法によるコンクリートの内部欠陥の推定に関する研究
副題
筆頭著者 渡部哲巳(名古屋大学)
連名者1 黒川善幸(名古屋大学)
連名者2 森博嗣(名古屋大学)
連名者3 谷川恭雄(名古屋大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 589
末尾ページ 594
年度 1993
要旨 はじめに
最近、建築物外壁面の仕上げ材の剥落による人身事故が多発して社会問題となっており、外壁タイル等の剥落危険度を調べるための非破壊試験方法として、壁面の表面温度差から内部の欠陥を探査するサーモグラフィー法が注目されている。サーモグラフィー法は、欠陥部を視覚的に把握できること、一時に広範囲の調査が可能であること、経時的な計測が可能であること、など多くの利点を持つため、広く活用されつつある。しかし、サーモグラフィー法の各種条件下における適用範囲についての詳細な情報は、コンクリートの分野ではまだ少なく、また、これらを解析的に取り扱った研究事例はほとんどみられない。本研究では、有限要素法による解析によって、コンクリートおよびモルタルの表面温度の経時変化を計算し、この結果と欠陥を有するモルタル試験体の表面温度の測定結果を比較することによって、サーモグラフィー法の出力情報から、内部欠陥の規模を推定する手法を確立するための基礎的な検討を行った。
まとめ
本研究によって得られた知見を以下に示す。1)欠陥部の厚さ(W)および欠陥部の面積(Af)に関係なく、最大温度差となるまでの時間(Tm)は、欠陥部の深き(D)にほぼ比例する。2)欠陥の生じる深さ(D)が既知の場合には、解析と実測によって得られた温度情報を比較することによって、欠陥部の厚さ(W)を推定することができる。3)温度差のほほ等しくなる、欠陥部の位置が浅くかつ厚さが小さい場合と、位置が深くかつ厚さが大きい場合を判別することは理論的には可能であるが、壁面の温度が環境の変化に大きく影響を受けるため、実際の条件下で両者を判別することは非常に難しい。4)試験体の欠陥部に発泡材を挿入した湯合には、欠陥部が空気層の場合に比べて、欠陥部と健全部の温度差が小さくなる。5)検知限界は、日射の強さおよび日射量によって定めることができるが、検知可能な欠陥部の深さ(D)は、これらの影響を大きく受ける。
PDFファイル名 015-01-1098.pdf


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