種別 | 論文 |
主題 | 鉄筋の腐食膨張によるひびわれモード |
副題 | |
筆頭著者 | 松島学(東電設計) |
連名者1 | 堤知明(東京電力) |
連名者2 | 関博(早稲田大学) |
連名者3 | 松井邦人(東京電気大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 1 |
先頭ページ | 727 |
末尾ページ | 732 |
年度 | 1993 |
要旨 | はじめに コンクリート表面からの塩分浸透により鉄筋は腐食し、かぶりコンクリートにひびわれを発生させ、はく離・剥落へと進展する。実際のひびわれを観察すると、かぶり厚さがある程度あると、鉄筋に沿ったひびわれを生じるが、鉄筋のかぶりコンクリート厚さが薄い場合は、鉄筋に沿ったひびわれが発生する前に、はく離する現象が見られる。Browneによると、この違いは鉄筋のかぶりコンクリート厚さtpと鉄筋径φの比tp/φで表され、tp/φ)1.5以上の時はひびわれを、以下の時ははく離が発生することを示している。図-1.a、bに鉄筋が浅い場合と深い場合を比較して図示する。また、塩害によりかぶりコンクリートがはく離およびひびわれが生じた場合の実際の現象を写真-1.a、bに示す。本研究は、これらの物理現象を説明する力学モデルを提案し、実構造物でのひびわれモードを評価でき得るかを調べたものである。 まとめ 本研究は、弾性論からひびわれ発生のモデルを作成し、その妥当性を既往のひびわれ調査結果から検証した。以下に本研究で得られた知見をまとめる。(1)鉄筋腐食によるひびわれは、かぶり厚さが厚い場合はひびわれとなり、薄い場合ははく離となる式を弾性論から導いた。その給果から、D/φが3.0以下の時ははく離を生じ、3.0以上の時はひびわれとなることを示した。また、はく離をする場合の角度は60〜70度である。(2)既設の海岸構造物の岸壁のひびわれ調査比較から、求められた理論値のひびわれの発生角度はばらつきはあるものの、現場の実測値とほぼ同程度の傾向が見られた。今後、数多くのデータを収集し、これらのひびわれモードの現象を明らかにすると共に、腐食膨張によるひびわれの力学モデルを作製する予定である。 |
PDFファイル名 | 015-01-1121.pdf |