種別 | 論文 |
主題 | 破壊力学に基づくFEMによる縦ひびわれ発生腐食量の解析的検討 |
副題 | |
筆頭著者 | 山田義智(琉球大学) |
連名者1 | 大城武(琉球大学) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 1 |
先頭ページ | 733 |
末尾ページ | 738 |
年度 | 1993 |
要旨 | はじめに コンクリート中の鉄筋が腐食すると、鉄筋周囲のコンクリートの状況に応じて腐食反応が進行し、腐食生成物、即ち錆が蓄積される。錆は膨張性を有し、そのため鉄筋周囲のコンクリートに内庄が作用し、図-1に示すようにかぶりコンクリートに縦ひびわれを発生させる。ひびわれ発生後は、腐食に対するコンクリートの保護作用がなくなるため鉄筋腐食は加速される。従って、RC部材の耐久性限界として縦ひびわれ発生時とするのが自然である。腐食ひびわれ発生時の鉄筋の腐食量を解析的に求めるには、腐食生成物の体積膨張率、ヤング係数等の物理的性質を把握し、腐食膨張に伴うかぶりコンクリートのひびわれ進展を力学的に求める必要がある。本研究では、このひびわれ進展解析を、コンクリートの引張軟化特性をモデル化するに当たり破壊エネルギーの概念を導入するいわゆる破壊力学に基づく有限要素法解析により行なっている。ここでは、RC部材を鉄筋の占める部分を中空とした断面モデルで表し、その内孔に強制変位を与え、破壊力学に基づく有限要素法解析により縦ひびわれ発生時の内孔における膨張圧力及びその膨張変位を求め、この値を平面弾性解析に境界条件として代入することにより縦ひびわれ発生時の腐食量を解析的に求めた。この解析による縦ひびわれ発生腐食量と、既往の電食実験による縦ひびわれ発生腐食量との比較検討を行なったのでその結果について記述する。 まとめ 本研究は、破壊力学に基づいたFEM解析と、平面弾性解析との併用によりひびわれ発生時の腐食量を求め、既往の電食実験との比較検討を行なった。その結果をまとめると以下の通りである。(1)内圧を受ける中空円筒コンクリートの破壊実験結果と、本FEM解析値を比較した結果良く一致する。これより、本FEM解析は膨張挙動を良く表すことが分かる。(2)本解析により得られたひびわれ発生腐食量は、既往の電食実験値と比較的良く一致する。(3)ひびわれ発生が長期の場合、クリープを考慮するとひびわれ発生腐食量は比較的一致する。(4)コンクリートの引張強度が高くなればひびわれ発生腐食量も高くなる。以上のように、本研究の解析手法により得られた結果は。既往の電食実験結果を良く説明していることが分かる。但し、今回は、電食実験との比較であり、実際の自然腐食現象による結果とは多少異なることも考えられる。 |
PDFファイル名 | 015-01-1122.pdf |