種別 | 論文 |
主題 | 自然電位法のCSM逆解析によるコンクリート中の鉄筋腐食の評価に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 山村浩紀(鹿島建設) |
連名者1 | 大津政康(熊本大学) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 1 |
先頭ページ | 739 |
末尾ページ | 744 |
年度 | 1993 |
要旨 | はじめに コンクリート中の鉄筋腐食を非破壊的に評価する方法には、現在のところ自然電位法と分極抵抗法とが主に使用されている。しかしながら、いずれもコンクリート表面での電気的評価に過ぎず、測定値はコンクリートの状態にかなりな影響を受けることが報告されている。これを解決するには、コンクリート表面ではなく、鉄筋表面での電位を求めることが考えられる。このため、3次元境界要素法(BEM)による解析法を提案したが、解析にかなりな労力が必要となり実用的でない点が問題であった。そこで、仮想電位法(Charge Simulation Method;CSM)を用いた手法を考案したが、まだ適用性について表面コーティング、配筋などの影響も含めて、明らかにすべき点があると考えられたため、数値実験および実験により検討する。 結論 自然電位法の測定値より鉄筋表面での電位を推定する方法としてCSMにより逆解析する手法の開発を試みた。この結果、次のような結論が得られた。(1)鉄筋でのアノードとカソード反応による電位の変化を、BEMを用いた数値実験により検討した。この結果、鉄筋上の腐食電流密度の分布とコンクリートの表面電位分布は対応するが、それは一意な関係を与えるものではなく、電位分布のみから腐食電流の発生している領域を推定することは容易ではないことが認められた。そして、鉄筋上の電位を境界条件としたBEM解析により、コンクリートの抵抗は腐食電流の変化には関係するが、コンクリート表面での電位は均質なコンクリートと仮定できる測定領域では、影響されないことが明らかになった。(2)電食実験において促進腐食させたRC梁モデル、RC床版モデルにおいて、コンクリート各面の自然電位を電食実験後に測定した。そして、これらの値を用いて、CSM解析により鉄筋表面での電位を推定した。その結果、硫酸鋼電極による測定の妨げになるものを取り除いてやれば、求められた鉄筋表面の電位の値と実際の腐食の関係は、ASTMの基準とよく対応していることが認められた。これは、自然電位法における不確定性を大きく改良した手法であると考えられる。 |
PDFファイル名 | 015-01-1123.pdf |