種別 | 論文 |
主題 | コンクリート中の種々の欠陥を考慮した塩害シミュレーションに関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 武若耕司(鹿児島大学) |
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キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 1 |
先頭ページ | 789 |
末尾ページ | 794 |
年度 | 1993 |
要旨 | まえがき 最近、コンクリート構造物の耐久性設計が注目を集めている。特に、塩害の影響が大きい海洋コンクリート構造物ではこの耐久性設計の必要性は極めて高い。しかし一方、コンクリート構造物の劣化現象に対する解析や実験が活発化しているにも拘らず、未だに、これらの理論的あるいは実験的見解と実構造物での劣化状況とが一致しない状況もかなり多い。その最大の原因は、構造体コンクリートの品質のばらつきを十分に評価し得ていないことにあると思われる。劣化作用の厳しい環境では、コンクリートの品質のわずかな差が構造物の耐久性においては大きな差に繋がりかねない。すなわち、コンクリート構造物の耐久性設計は、構造体コンクリートの品質を正当に評価し、その品質のばらつきを数値的に表すことができて初めて可能となるといえる。本研究の最終目的は、コンクリート構造物の耐久性能の的確な把握と、耐久性設計に必要な具体的資料の提示にある。ただし、この際に必要となる構造体コンクリートの品質評価および、その評価品質と耐久性の因果関係の把握を、実験的にしかも系統立てて行うには限度がある。そこでここでは、コンピューターシミュレーションによりケーススタディーを繰り返し行うことによってこれらを把握できないかと考え、そのシミュレーション手法について検討を行った。 まとめ 本研究は、コンピューターシミュレーションを用いたケーススタディーによって、構造体コンクリートの性能評価を行うことを考え、その手法について検討を行ったものである。ここでは、まず、コンクリートの中に種々の形で存在する欠陥を球と見なしたコンクリートモデルを作成し、次に、このモデルの塩害感受性を塩分浸透性と鉄筋腐食性の両面から評価することを試みた。その結果、本モデルが、1)実施工コンクリートにおけるばらつきを考慮した品質性能をある程度再現できること、2)コンクリート中の鋼材腐食を支配するマクロセルの形成過程を再現するのに有効に利用できること、などを確認し、このモデルを用いた塩害評価手法と合わせて、構造体コンクリートの耐久性評価のためのシミュレーション手法の1つとなり得ると予想された。 |
PDFファイル名 | 015-01-1132.pdf |